第2回「総合的な学習の時間」における学習活動の充実に向けて~学校と企業等との連携

【連載「社会に開かれた教育課程」の実現に向けて~新しい学習指導要領 スタート~】

 前回解説した新しい学習指導要領の理念である「社会に開かれた教育課程」を実現するためには、どのような取り組みが有効なのでしょうか。今回は、「総合的な学習の時間」における学習活動の充実に向けて学校と企業等とが連携する際の参考情報をお知らせします。

 各学校で行われている「総合的な学習の時間」の特質は、実社会・実生活の中から子どもたちが主体的に課題を見つけ、その解決に向けた学びを深め、子どもたち一人ひとりの興味・関心に応じた学習活動を行うことにあり、授業で取り扱う課題は、より実社会や実生活にかかわったリアルなものとすることが重要となります。

 このため、「総合的な学習の時間」において充実した学習活動を展開する上では、実社会や実生活とのつながりがある実践的な活動を行うことが効果的であり、これまでも各学校や企業関係の方々には、学校や地域等の実状に応じた学校外の学習活動に取り組んでいただいているところです。

 一方、総合的な学習の時間において実施される学校の外部における学習活動については、一般的に長期休業期間や土日等の休業日ではない平日の授業において実施される場合が多く、また、学習活動を実施する時間の確保や活動先の企業の状況により、学習活動を実施する時期や時間帯、内容等が限定的となりがちです。

 このため、文部科学省では、本年3月に、企業などを含む地域や家庭などの協力を得て行う学習活動を念頭に、土日や夏休みを含めて行われる総合的な学習の時間の学習活動を実施する際の基本的な考え方や留意点を教育委員会等に通知するとともに、その解説や具体的な取り組み事例を初等教育資料10月号(2019年 東洋館出版社発行 文部科学省編集)に掲載しております。

 通知には学校と企業等が連携して教育活動を行う際に参考となる情報が多く盛り込まれています。本稿の読者である企業の方々には、すでに、職場体験などで学校にご協力いただいている方、あるいは、これから学校にご協力いただく方もおられると思います。御協力くださる際には、本通知も参考としていただきながら、子どもたちが学校で学ぶことと社会とのつながりを実感できるような工夫もしていただけましたら幸いです。

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休業日等における総合的な学習の時間の学校外の学習活動の取扱いについて(通知)

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2019/06/25/1418185_11.pdf

文部科学省初等中等教育局 教育課程課

「中小企業家しんぶん」 2019年 11月 15日号より