会員増強活動は楽しい 1年余りで1000社を訪問【北海道】

北海道同友会 代表理事 曽根 一氏

 北海道同友会は、2019年10月31日に会員数が6,000名に達し、本年度目標を達成するとともに、11月22日に創立50周年記念式典を開催しました。(本紙2019年12月5日号既報)

 しかし、6,000名の目標を決めた2018年6月の総会時の会員数は5,767名。16カ月で純増233名を達成する取り組みとして「6,000名会員達成プロジェクト」がスタートしました。

 会員増強を進める上で重視したのは、「多くの会員の納得と共感を得て進める」ことです。中同協の「会員増強の手引き」を支部や地区会の幹事会で読みあわせ、その意義を議論しました。

 その中で、北海道同友会を創設した人たちの思いを知りたいという声が出され、創立の呼びかけ文を読みあわせました。手書きの文書には「史上最高の景気が謳歌(おうか)される中で、中小企業経営者の肩にはすべてがかかり孤独感を深めている。自分だけではどうにもならない問題や悩みを裸になって話しあい協力しあえる会をつくろう。そして私たちの勇気と活力をここからくみとり、明日の経営に役立つ会にしていこう」という熱いメッセージがつづられていました。

 50年前も今も経営者の悩みは同じだと、共感の輪が広がりました。

 私はとかち支部に所属していますが、支部の幹事会や組織委員会では、「対象者がいない」という悩みが出ていました。支部の組織率が16%、帯広市内は20%なので、知りあいは皆入っているというわけです。そこで、支部で信用情報会社から企業リストを購入しました。

 私はその名簿をもとに、2018年12月から新人事務局員とペアで毎週の飛び込み訪問を開始しました。訪問すると、同友会の名前を知っている人が多く、代表者とも多く会え、後継者育成や社員教育、採用問題などで話し込むこともしばしばありました。時には、高校時代に同じクラスだった知人に声をかけられたり、仕事でお世話になった方と会えたりで、なかなか楽しいものでした。

 この1年余りで訪問件数はのべ1,000社を超えます。わざわざ来てくれたのでと入会してくれる方、2度3度の訪問で入会してくれた方など、20名に入会してもらいました。

 また、守和彦・代表理事や藤井幸一・代表理事は、業界トップの会社に次々と入会してもらい、副代表理事も事務局員とペアで増強訪問を開始。山田修三・組織企画委員長は全道各支部を回り、支部の組織委員長に「あなたがリーダーなのだから、がんばろう」と激励して歩きました。

 自覚したリーダーが率先垂範することで、役員の動きが変わり、成果が上がり、増強ニュースやLINEで「見える化」が進みました。その結果、理事と支部役員で成果を上げた人は40%を超えました。

 このような取り組みによって、2019年10月31日の夕方に会員数6,000名に到達しました。

 さらにここで、藤井代表理事は支部長に2度目の手紙を書きました。そこには、「同友会会員経営者として自らの体験を語り、共に学びあう仲間を1人、また1人と増やしていく努力の積み重ねが、支部の結束を強め、6,000名会員をいま目前へと引き寄せる確かな力となりました。50年前に、『孤独な経営者をなくそう』と北海道同友会を立ち上げた先達の熱い思いと、見事に重なっているように私は思います。とはいえ、物語はまだ終わってはいません。各支部が掲げた目標の達成をめざして、もうひと踏ん張り、W杯ラグビー日本代表チームのように、愚直に前へ進んでまいりましょう」とありました。

 物語はまだ終わっていない。北海道同友会50周年のスローガンは「つなぐ~原点から未来へ」です。この度の会員増強の取り組みは、原点から未来をつなぐ営みなのだと考えています。

(中同協第3回幹事会での活動報告より)

「中小企業家しんぶん」 2020年 2月 5日号より