女性部会のあゆみと現在の取り組み、課題と展望【石川】

女性部会のこれまで

 石川同友会女性部会は、1990年12月に女性部会として発足し登録の会費制として経営者夫人も参画していましたが、2005年度に会計や人事面でのいざこざが発生したことから女性部会としての活動廃止となりました。翌2006年に女性経営者委員会として全女性会員を対象に委員会として活動を開始し、2009年に女性部会と名称を変更、2015年に次期人事の論議から部会存続を問う審議に発展した結果、2016年度より登録制として24名でスタートし現在に至っています。

今年度の活動内容と組織的な気づき

 2020年1月末現在、石川同友会は会員417名のうち、51名が女性(比率12.3%)、2019年度スローガン「楽しく学べ、元気をもらえる場づくり」をもとに全国行事参加を含め、例会などの活動を展開しています。活動の1つに今期で3年目となる「経営問答塾」があります。代表理事経験者の経営に関する知識と経験に学ぶというもので、20名近い参加者のうち半数が男性という行事です。この経営問答塾や講師例会、ミニ報告例会、北陸3県合同例会などの女性部会活動を通じて、組織的にどのように生かされたかを3つに整理しました。

 1つは、男性経営者に向けた女性部会の活動の周知が広がり、性別や同友会歴を問わず参加しやすく学びあう雰囲気づくりにつながったこと、2つ目に、お互いを深く知ることで部会員間の親密度が増し、元気をもらえる場づくりになったこと、3つ目に、とりわけ経営問答塾では歴代代表理事による赤裸々な経営体験に学ぶ機会を得ただけでなく、深い人生観からも気づきを得ることができたことです。

今後の展望や課題

 今後の展開・課題は、女性に特化した悩みの共有や気づきについてテーマの絞り込みや討論の深掘りが必要ということや、女性の視点を経営に生かし、石川同友会の運動においても女性の意見が反映される組織づくりをめざす必要があります。

 次年度役員選考で女性理事を増やす提案が承認されたことは、男性役員、会員にもその必要性を実感してもらう契機となりました。

 石川同友会女性部会の30年の歴史を振り返ることで、昨今の課題への取り組みが進んでいることを再確認しました。引き続き、歴史の振り返りや時代を築いてきた女性経営者からの学びも次年度以降に計画をし、次の世代につないでいくことをこれからの課題として取り組んでいきます。

(2020年2月26日 2019年度第2回中同協女性部連絡会実践報告より再編集)

「中小企業家しんぶん」 2020年 5月 5日号より