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アフターコロナの3つの危機

 4月22日「アースデイ(地球の日)」に合わせ、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが公開した動画で「私たちは地球温暖化と新型コロナウイルスという2つの危機と同時に闘わなくてはならない」と訴えたとの報道がありました(日本経済新聞4月23日)。新型コロナウイルス感染拡大で、世界中で緊急事態宣言が出され、移動制限やロックダウンが行われ経済への影響は甚大となっています。今後も経済に深刻な影響が出るとの予測も出てきています。

 さて、ビフォーコロナの世界では、2015年「パリ協定」のCO2削減、SDGsの持続可能な開発目標などの2030年をターゲットにした取り組みがなされていました。このコロナの経済への悪影響の一方で、自然環境が改善されているとの報道されています。「中国のスモッグが消えた」「アメリカのニューヨーク、シアトル、ロサンゼルスといった大都市の大気が改善した」「ボートの交通量が減ったイタリアのヴェネツィアでは、運河が濁った緑色から運河の底がみえるくらい透明になり魚も戻ってきた」などSNSでの発信も取り上げられています(Business Insiderホームページ参照)。経済活動がいかに自然環境に影響を与えてきたかがわかります。

 国際エネルギー機関(IEA)によると、2020年の世界の年間CO2排出量は経済活動の低迷により約8%減少し、世界のエネルギー需要は2020年には2019年と比較して約6%減少すると推定しています。この減少量は過去最大の見込みとなっています。「パリ協定」が掲げる努力目標を達成するためには、世界で毎年8%近くの温室効果ガスの排出量削減が必要ですが、コロナの影響による経済の停滞によって初めて実現することになりそうです。

 4月28日、2021年に延期されたCOP26を見据えつつ、約30カ国の閣僚級が気候変動対策について協議する「第11回ペータースベルグ気候対話」がオンラインで開催されました。ドイツのメルケル首相、国連のグテーレス事務総長などが参加し、日本からは小泉進次郎環境相が参加。協議では「経済回復のための計画は、パリ協定および持続可能な開発目標(SDGs)と轍(わだち)を一にするものでなければならない。投資は気候中立とレジリエント(強靱)な経済、自然と生物多様性の保全につながる必要があり、同時に、環境に優しい雇用(Green Job)の質を促進しなければならない」との認識で一致しています。

 アフターコロナにおいて、グレタさんは「気候変動」と「新型コロナウイルス」の2つの危機を挙げていましたが、中小企業はもう1つ。「地域とふるさとの危機」に立ち向かうことが重要です。世界的な潮流や時代の流れを踏まえ、3つの危機に立ち向かい、どう企業づくりに挑戦していくのかが試されています。いずれにしてもあらゆる危機に対して「持続可能性」がキーワードとなりそうです。

(I)

「中小企業家しんぶん」 2020年 7月 15日号より

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