障害者雇用対策の現状と展望を学ぶ【中同協障害者問題委員会】

 「中小企業の日」の7月20日、中同協障害者問題委員会をオンラインにて開催し、28同友会および中同協から72名の参加がありました。報告者に厚生労働省職業安定局障害者雇用対策課長の小野寺徳子氏を招き、障害者雇用対策の現状や展望について学ぶとともに、障害者問題正副委員長と懇談を行いました。

 冒頭、比嘉ゑみ子・障害者問題委員長より「コロナだけでなく、水害もあり、次から次へと大変なことになっているが、障害のある方とともに働くことを愚直に進めていきたい」とあいさつがありました。

 続いて、厚生労働省職業安定局障害者雇用対策課長の小野寺徳子氏より「障害者雇用対策の現状と今後の展望」について特別報告がありました。小野寺課長は、「障害者雇用対策は1976年の法定雇用率と納付金制度を中心に施策を実施してきたが、障害者の権利に関する条約の批准に伴い、2016年に事業主に対して障害者に対する差別の禁止・合理的配慮の義務化など実施し、身体・知的・精神障害者の雇用促進も進めてきている」と報告。多様な働き方のニーズ等に対応した障害者の雇用の質の向上に向けた取り組みや中小企業における障害者雇用の推進、障害者が長く安心して安定的に働き続けられる環境整備につなげる制度のあり方などについてまとめた報告書を紹介しました。また、「今後の障害者雇用施策の充実強化について、週20時間未満の障害者を雇用する事業主に対する特例給付金、障害者雇用に関する優良な中小事業主の認定制度などを進めている」と報告しました。

 その後、「コロナ禍における現在の会社や地域の近況について」「各同友会の障害者問題委員会の活動交流ならびに今後の活動について」をテーマにグループ討論・情報交換を行いました。京都では会社ごとに動画を社会福祉協議会などと作成して、総合支援学校は授業で動画を流すなどして交流を図っている事例や、全国的にコロナの影響で障害者の実習先がなくなってきているなどの課題も明らかとなりました。また、小野寺課長と障害者問題正副委員長で懇談し、同友会における障害者問題委員会の取り組みや障害者問題全国交流会について紹介し、今後の連携について意見交換しました。

「中小企業家しんぶん」 2020年 8月 25日号より