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地域のにぎわいを創出~若者が集まる町へ (株)つくば食品 代表取締役 八巻 大介氏(茨城)

【アフターコロナ企業の挑戦】第5回

長引く新型コロナ感染症拡大で日本経済や地域経済にも大きな影響が出ています。そんな中でも新規事業への参入など果敢に挑む企業があります。連載「アフターコロナ~企業の挑戦」第5回目は(株)つくば食品(八巻大介代表取締役、茨城同友会会員)の取り組みを紹介します。

 (株)つくば食品は、業務用液体調味料の開発・製造・販売を行う会社です。多品種・小ロット生産で顧客の多種多様なニーズに応え、全国のスーパーやコンビニなどの中食と外食チェーンの調理場で使用される業務用調味料を中心に提供しています。

 同社に新型コロナウイルス感染拡大の影響が出始めたのが今年の3月。売上は前年同月比で2割減、4月には約4割減まで落ち込みました。そんな中、2020年の8月にクラフトビール醸造所を併設したレストラン「上町チアーズ」をオープンしました。

 (株)つくば食品は、創業者である父が1995年に脱サラして立ち上げた会社です。八巻氏は、高校卒業後4年間食品関係の会社に勤めた後、つくば食品に入社。その後、食品商社に出向し、初めて営業を経験。創業20周年となる2015年に38歳で事業承継しました。同友会入会は事業承継を具体的に考え始めた2010年です。

 コロナ禍での外食産業への進出は、2025年ビジョンに掲げているBtoBからBtoCへの事業拡大です。自分たちで市場を創り商品を自分たちの力で販売へつなげるチャンネルを持つことを考えていました。

新たな挑戦

 ワイナリーを作りたいという創業者である父親の思いもあり、2019年3月に父のふるさとでもある福島県桑折町の商工会に出向きました。そこで出会った地元の割烹料理店の三代目の「この町に若者が集まる場所をつくりたい」という言葉にも押され、2019年6月に(株)つくば食品の子会社として(株)Tファクトリーを設立。誰でも立ち寄れる地域の交流拠点としてのレストラン「上町チアーズ」と新たな特産品の創造を目的としたクラフトビール醸造施設「半田銀山ブルワリー」のオープンに至りました。ここ2つを切り口に地域資源を掘り起こし、町の魅力の発信基地として広く活動をすることを掲げています。

 ここで醸造されるビールは桑折町が発祥とされるリンゴ「王林」を使った地ビールで、季節に合わせて5種類ほど製造されています。また、併設されたレストランでは地元食材を使ったさまざまなメニューを楽しむことができます。

町のにぎわいを取り戻す

 オープン後は、地域の人だけでなく、福島全土から多くの人が足を運びました。桑折町は人口約1万1000人の町です。多くの人が集まる拠点ができることで、これから交流人口や雇用拡大に期待が持たれています。

 今後は、桑折町を拠点に周辺への店舗展開や父の夢であったワイナリー農場の建設、チーズ工房などの食品加工などさまざまなことを計画しています。地域で同じ志を持つ人々が一緒になって地域のにぎわいを創出する。地域に根ざし、地域に責任を持つ中小企業の姿そのものです。

「中小企業家しんぶん」 2020年 12月 15日号より

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