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【知っておきたい新型コロナ対策】vol.8 BCP(事業継続計画)について

OHサポート(株) 代表/産業医 今井 鉄平(神奈川)

経営者にぜひ知っておいていただきたい新型コロナ対策情報連載(全10回)の8回目になります。今回のテーマは「BCP(事業継続計画)について」です。

 BCPとは、企業が地震や感染症の世界的流行などの緊急事態に備えて、普段から「緊急時にどの事業を継続させるのか?」や、「そのために何を準備し、どのように継続するのか?」などを検討し、企業にとって中核となる事業を継続するための対策などを取りまとめた計画のことです。BCPを策定しておくことで、流行のまん延期などにおいても、感染対策の実施により従業員への感染拡大防止や、企業の存続にとって中核となる事業を継続しやすくなることが期待されます。しかしながら、帝国データバンク社の調査によると、中小企業で実際にBCP策定を行っているのは13・6%に留まっており、なかなか浸透していない実態がわかっています。

 全国的に感染拡大も継続しており、十分に検討する時間も残されていない中、中小企業においては詳細なBCPを策定しないことも選択肢の1つなのかもしれません。筆者らは、2009年の新型インフルエンザ流行後、厚生労働科研費研究班(『職域における新型インフルエンザ対策の定着促進に関する研究』代表:高橋謙)において大小さまざまな企業における感染対策やBCPのレビューを行いました。その結果、中小企業においては大企業で準備しているような詳細なBCPがなくても、経営者のリーダーシップの下で臨機応変な対応が取りうることが確認できました。ただし、『最終意思決定者』、『外部(例:病原性の情報)・内部(例:社内発症数)情報の収集体制』、『感染拡大防止策』、『事業継続に及ぼす影響の評価に関する準備』の4つは、感染症流行への対応を行う上で、企業規模を問わず、最低限必要なものと言えます。今後のさらなる感染拡大を見据えて、少なくともこの4つは各企業で準備を進めておきたいところです。これらの詳細は『災害産業保健(労働調査会)』という書籍の中で詳細を述べておりますので、関心のある方はぜひご参照ください。

 感染症BCPの策定を検討している企業におきましては、自力でゼロから作成することは困難を伴うことが予想されますので、産業医などの専門家によるサポートを受けることをお勧めします。なお、東京商工会議所の『感染症対応力向上プロジェクト』の中でも、無償でBCP作成のサポートを行っていますので、ぜひ問い合わせてみてください。

〈プロフィール〉
今井 鉄平(OHサポート(株)代表/産業医)
産業医科大学医学部医学科卒業。大手企業での15年以上にわたる専属産業医勤務を経て、2018年4月にOHサポート株式会社を開設、中小企業向けの産業医サービス提供を主業務としている。日本産業衛生学会専門医、医学博士。

「中小企業家しんぶん」 2021年 1月 15日号より

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