ジェンダー不平等は「リスク」~内閣府、日本BPW連合会、中同協共催で男女共同参画シンポ【中同協】

 1月30日、内閣府、日本BPW連合会、中同協の三者の共催による男女共同参画シンポジウム「リスクマネジメントとジェンダー平等」がオンラインで開かれ、自治体職員や同友会会員など120名が参加しました。新型コロナウイルス感染拡大がもたらした危機において、リスクマネジメントの視点から、罹災者における社会的、経済的対応について検証していこうというもので、兵庫県や神戸市、関西経済同友会などが後援しました。

 シンポジウムは4名のリレートークとグループ討論・発表、アピール発表で構成。リレートークでは岸本充生・大阪大学教授、石川雅恵・UN Women日本事務所長、平田美穂・中同協政策広報局長、林伴子・内閣府男女共同参画局長が登壇しました。

 岸本氏は「リスクとELSIの考え方」として、ヒトゲノムの解析によるELSI(倫理的・法的・社会的課題)の想定を紹介しつつ、 ジェンダー不平等自体が、国・組織・個人にとってのリスクであると指摘しました。

 石川氏は新型コロナが世界的に及ぼす影響を示しつつ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成が遠のいていることや国連女性機関の国際的な経済的社会的支援などを紹介しました。

 平田氏は「激動をよき友に!新型コロナの中小企業経営への影響と同友会&女性経営者のポストコロナへの取り組み」と題して、影響調査の結果や「1社もつぶさない」と同友会が活動を展開していること、経営理念をもとに全社一丸で事業変革に取り組む女性経営者6名(同友会会員)の実践などを紹介しました。

 林氏は女性は非正規雇用が多く、その就業者数が昨年4月に対前月比で男性の約2倍の70万人減少などの現状に触れ、昨年12月に発表された「第5次男女共同参画基本計画」(3面参照)を紹介しました。

 その後、グループ討論が行われ、最後にアピールが採択されました。

「中小企業家しんぶん」 2021年 2月 15日号より