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経営戦略を磨け!!〈第4回〉

 中小企業を取り巻く外部環境を考察する上で必要不可欠な統計データ。各企業が自社で調査した数値を公開しているものもあれば、国が統計データとして公開しているものもあります。国が作成するマクロ経済統計を中小企業のビジネスに活用するための視点やその手法について紹介します。

 前回は統計を活用した経営環境の確認方法を紹介しましたが、本稿では、経営戦略の整理の仕方を紹介します。

 戦略を策定する際、経営者の「志(こころざし)」や「想(おも)い」はとても大切です。しかし、変化が激しい昨今、それだけでは十分とは言えません。そのため、前回学んだ手法を活用し、経営環境に応じた戦略を整理してみましょう。

 図1は、長年、企業支援業務と統計業務に携わった経験に基づき、筆者が独自に考案した整理方法です。「業界の動向」と「自社の業績」で、交通信号に例えて整理しています。

 それでは、信号の色でどのような戦略が必要になるのか説明していきます。

 まず、青信号です。業界も自社も好調なため、「新製品開発」など利益を最大化する攻めの戦略が必要となります。

 次に、黄色信号です。業界は好調ですが、自社は不調というケースです。同業他社は好調なため、不調の原因は社内にあるのではないでしょうか? 何が原因なのかは会社で異なるため、まずは原因を究明するための「経営診断」が必要になります。

 次に、黄色点滅信号です。業界は不調ですが、自社は好調というケースです。この場合、「ニッチトップ戦略」か「新規事業」という真逆の戦略が必要になります。なお、筆者は、新製品開発は既存分野向け、新規事業は異分野向けの取り組みとして整理しています。

 最後に、赤信号です。業界も自社も不調なため、「撤退・事業譲渡」など苦渋の決断が必要となります。

 そして、この整理方法で最も重要な点は、信号の色で必要とされる戦略がまったく異なることです。

 図2は、自転車の生産動向ですが、軽快車と電動アシスト車で動きが異なります。そのため、その会社の業績次第で「青か黄色」、「黄色点滅か赤」のいずれかとなり、必要とされる戦略も大きく変わってきます。

 同友会会員の皆さんは、経営指針を策定されている方が多いと思いますので、指針を見直される際に、統計や本整理方法を活用し、経営戦略を磨き上げていただきたいと思います。

 次回は、当グループが進めている新しい取り組み(誰でも、無料で、簡単に利用できる時系列グラフの作成アプリ、筆者による統計活用セミナーの講演動画)を紹介する予定です。

経済産業省大臣官房調査統計グループ 田中 幸仁

「中小企業家しんぶん」 2021年 2月 25日号より

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