若者の採用と自社の企業づくりで地域を元気にしよう!【宮城】

宮城同友会共同求人委員長 粕川 利史氏

委員会で課題としている部分は各地でも共通しているかもしれません。「参加企業が固定化している、人数が少ない、合同企業説明会(以下、合説)になかなか学生が集まらない、参加企業が減っている」などです。委員会の活動をもっと会内に発信し、また学生や先生方との接点を減らさないために「Jobway活用プロジェクトチーム」を編成しました。企業づくりの実践報告会も数回開催しました。「3年ビジョン」として、3年後にめざす姿を委員会の活動方針書に取りまとめています。「若者の採用と自社の企業づくりで地域を元気にしよう!」を掲げ、具体的な数値目標も設定しています。そのほかにも社員共育・経営労働・共同求人の3委員会が連携した企業づくりを全県で取り組みたいと考えています。

2020年の活動成果として、コロナで不安を抱えている学生に向けて「学生への応援メッセージ」を発信しています。合説は、共同求人委員会の目的を確認し、例年通りすべて対面で開催しました。一部ウェブを併用したハイブリッド形式に取り組んだところもあります。参加した学生のアンケートからは「他の説明会が中止されるなか、同友会の説明会が開催されることはうれしかった」との回答が多くみられました。学生との接点の場を作り続けることの必要性・大切さを改めて感じました。

また、支部・ブロックと共催の例会も開催し、参加企業2社から次年度通年で参加したいと申し出があり、9月から委員会に参加しています。昨年11月の経営研究集会では、共同求人と社員共育をテーマにした第3分科会は70社の参加をいただきました。4社から通年参加したいと申し出があり、12月から委員会に参加しています。また、その後の合説でも2社が会場を見学し、1社が通年参加を決めました。われわれの仲間を少しずつ増やすことができました。

次年度は、委員会に参画する皆さんと一緒に、『経営指針実践の手引き』を用いて委員会の現状認識を行っていきます。新型コロナ感染拡大に伴うアンケートの中では、140社の会員が新卒採用に取り組む意欲があると答えており、そういった企業に声掛けをして仲間を増やそうと伝えています。

出された課題などに沿った形で、次年度は仲間を増やし地域に若者を残したいという思いから、3月に委員会単体での活動方針発表会を開催する予定です。その中で、計画だけでなく予算組みや収支の部分も明らかにし、委員会全体で共有してくことも大事だと思います。

最後に、今の時期だからこそわれわれ中小企業と学校、行政が課題を共有して、一緒に地域に若者を残す取り組みを実践していく、そういった関係性の構築・強化が重要だと思います。また、今こそ委員会メンバー同士で課題を共有し、事務局と一緒になって会内に共同求人の目的を発信する、今こそ経営者が新卒採用を通じて自社が魅力あふれる企業をめざす組織づくりが重要ではないでしょうか。

「中小企業家しんぶん」 2021年 3月 5日号より