44名が新たな船出 地域の中小企業で働く誇りを胸に生きがいのある豊かな人生を創造しよう!【岩手】

 4月1日、岩手同友会の新入社員合同入社式が、23社44名の新入社員、43名の経営者、幹部社員の合計87名の参加でメトロポリタン盛岡ニューウイングにて開催されました。昨年に引き続き通常500名ほどが入る会場を準備し、一人ひとりの距離を3メートル以上取り、感染防止の配慮を最大限に行ったうえでの式典となりました。また来賓として、岩手県商工労働観光部定住推進・雇用対策室室長の安藤知行氏、盛岡市商工労働部部長の赤坂國彦氏をお迎えし、厳かに行われました。

ああなりたい!と憧れるメンターを見つけてほしい

 代表理事あいさつに立った鈴木雅彦氏((株)東北ウエノ代表取締役)は、「皆さんには早い時期に自分が『あんな風になりたい』と憧れるようなメンターを見つけてほしい。また経営者の皆さんは、そんな新入社員と共に成長し続けられる土壌を全力でつくっていただきたい」と語りかけるように話しはじめました。今回の記念品として、100歳で天寿を全うされた、東京大学名誉教授の大田堯氏の著書『生命(いのち)のきずな』を全員に渡しましたが、その大田氏の言葉を引用し「人はなぜ直立2足歩行をするようになったのか。どんなに文献を調べてもその理由は出てこない。結論として『その気になった』としか言えないのでは。皆さんも社会人として歩み始めた今日のこの日を忘れず、道を切り拓いていただきたい」とエールを送りました。

常に「何のために」を考えてほしい

 また記念講演に立った田村滿氏((株)高田自動車学校取締役会長)は、「生きがいのある人生を創造しよう」をテーマに講演しました。「大きな企業の入社式の多くで、経営者の皆さんは『早く戦力になれるように頑張ってほしい』とあいさつするでしょう。でも私たちはいつも、『皆さん一人ひとりの人生を、生きがいのあるものにしてほしい』と話します。私たちは常に『何のために』を考え続けています。皆さんにも常に考えることを心においていただきたいのです」との問いかけからスタートした田村氏の講演は、中小企業憲章にも踏み込んでいきます。「中小企業は日本全国に実に約400万社もあるんです。私たちの日常の暮らしを守っているのは中小企業です。皆さんもその一員になったことを誇りに思っていただきたい」と話しました。そして最後に「準備された心に幸運は訪れる」というダーウィンの言葉を贈り、講演を終了しました。

 新入社員からは、「コロナ禍の中でこんなにも厳かで素晴らしい式典を準備してくださるとは思ってもみなかった。心から感謝申し上げたい。自分自身の可能性を存分に発揮できるような人生を歩んでいきたい」との決意表明があり、「入社式」ではありましたが、まるで合同での勉強会のような、厳粛な中にもぬくもりを感じる社員、経営者が共に学び合った式典となりました。

完全オンラインでの研修会が5月からスタート

 また5月からは、半年にわたって行われる新入社員研修会がスタートします。こちらも昨年に引き続き完全オンラインで実施予定です。昨年のオンライン研修会は、その利点を最大に生かした内容に、例年の離職率を大きく下げる効果がありました。社員共育委員会が何カ月も前から丁寧に準備し、ファシリテーター講座も開催しながらの開催です。

 合同入社式でのはつらつとした意欲溢れる新入社員が、半年後どのような成長した姿を見せてくれるのか。大きな会場から大きな未来への希望を送り出した記念式典となりました。

「中小企業家しんぶん」 2021年 5月 15日号より