【会社を成長させる人材採用!知っておきたい役立つポイント】(1)  適合メディア宣言について

(株)エム・ソフト 顧問・社会保険労務士 西 秀樹(東京)

 コロナ禍での採用・就職活動では企業も学生も手探りが続いています。そんな中で大きく変化している採用活動の基本を今一度確認し、人を生かす経営の実践につなげていくことが大切です。そこで今号より新連載「会社を成長させる人材採用! 知っておきたい役立つポイント」がスタートします。第1回目は、「適合メディア宣言」です。

 就職活動中の多くの学生が、求人メディアを活用して就職活動を行う中、求人企業・事業主は積極的に学生が必要な情報発信を行い、学生の職業理解を促進し、就職機会の拡大や適切な職業選択に役立つことが求められています。そのために、学生が安心して選べる求人情報の質の向上を図ることを目的として、求人情報提供事業者による自主規制が推進されることになり、求人情報提供事業者(中小企業家同友会就職情報サイトJobway)は2018年に「適合メディア宣言」に宣言しました。

 Jobwayは、求人情報の社会的役割とその使命を認識し、以下に掲げる基本原則に則り、たえずその質的な向上に努め、学生や学校関係者の信頼に応えなければなりません。

イ.求人情報は、学生の適切な職業選択に資するよう配慮されたもの。
ロ.求人情報は、真実なものであって、法令および社会倫理に違背するものであってはならない。
ハ.求人情報は、学生に誤解を生じさせることがないよう、平易な表現を用いるなど、的確な表示に努めなければならない。

 Jobwayは、求人情報の社会的役割とその使命を果たすため、Jobwayに掲載する以下のような基準を求人企業・事業主に求めています。

イ.自己申告書により法令違反がないことを宣言した企業。
ロ.求人票チェックシートおよび求人票を提出し、法令違反がないことが確認できた企業。
ハ.都道府県事務局が、ロを確認する上で、確認書類の提出を求めた場合には、求人企業は、必要な書類の提出に協力し、改善を行う企業。

 求人企業・事業主からは「掲載基準が厳しいのではないか」との意見も届いていますが、企業が発展・存続していくためには、人材が必要です。企業にとって採用した人材を育成し経営理念の下に共育ちしていくことこそ経営課題であると考えます。そのために質もよい求人票を作成し学生に広報する。求人票を作成する前に自社の求人票が法令違反していないかを確認するために「求人票チェックシート」を活用しています。

 職業安定法第5条の5に基づく「求人票不受理」により、法令に違反する求人の申し込み。その内容が賃金、労働時間その他の労働条件が通常の労働条件と比べ著しく不適当であるなどの場合には、求人票を受理しないことができるようになりました。

 共同求人活動は、1社でできないことを共同求人活動の理念に沿って参加企業が協力し合い採用活動を行う場です。Jobwayに参加している企業は安心できる、とのブランド構築を行っていきましょう。

〈プロフィール〉西 秀樹氏

神奈川大学法学部法律学科卒業。旅行業界人事、外資系コンサル会社を経て、現在は、新卒採用、人事評価制度策定、就業規則などの作成を主たる業務としている。

「中小企業家しんぶん」 2021年 6月 15日号より