コロナでの消費の変化からの今後の予想

 コロナ感染拡大による行動抑制の影響で家計消費支出が大きく変化しました。そこで行動抑制の影響が薄れてくればどう変わるのかを見てみます。緊急事態宣言の影響が一番大きい2020年5月と宣言解除後で影響が小さくなりGOTOが実施された10月、および2021年3月で比べてみます。(表)

 緊急事態宣言で行動が制限され、外出自粛で消費支出50%以上減少が続く飲食代や旅行・運輸・宿泊では、制限が緩和されると少し戻すも大変な状況が続いていきます。巣ごもり消費やテレワークで伸びたパソコンは5割以上伸び続けている一方、家具は10月で9割以上伸びたのが3月には減少に転じています。この傾向から言えば、食関連では外食・食事代・飲酒の大幅減から少し戻すも元には戻らず、パスタや麺など手軽に食べられるものや冷凍食品(伸びるが業務用14%減で家庭用18%増と売り先で差)、高級食材は行動制限で消費が伸びたものの落ち込みが少なく、節約志向とプチ贅沢の動きで出前や中食の増加が続いています。テレワークで消費が増えた家具はもう充足していて伸びていません。衣類は10月時点で少し戻すも、3月では背広は落ちたままです。対面型接触サービスは戻りが鈍く減少が続きますが、保健医療は伸び続けています。タクシーや鉄道、航空の交通は日常に戻っても、生活やビジネスのあり方が多様化し元には戻りません。

 レンタカーとシェアリングは急速に回復の可能性(レンタカーとシェアリングでは非接触で差)。宿泊は戻しても、パック旅行は減り続けます。巣ごもり需要は減少し、ゲームではソフトのみ伸び、またペット飼育者が増えたペット関連品は伸びます。映画・演劇・文化施設・遊園地は戻っても3密を避けるため減少は続きます。コロナ禍で加速するデジタル分野として、電子書籍や音楽映像アプリなどは今後も大幅増の予想。化粧品は「マスク着用不要でメイク用品増など変化する」と予測されます。今後も3密を避けるために少人数対応が求められ、デジタル化の進行で低価格になる中での非接触の動きに対応した多様なサービスで、付加価値を高める分野を持つことが必要になります。

「中小企業家しんぶん」 2021年 7月 25日号より