2020年度の会員数の推移について 各同友会活動実態調査から(1)

全国の同友会の活動を数値レベルで把握するため、2006年度から各同友会事務局の協力のもと活動実態調査を行っています。2020年度は新型コロナウイルスによる相次ぐ自粛要請により、会員企業の経営環境に大きな影響を与え、同友会活動においてもさまざまな活動方法の切り替えを余儀なくされました。今回は、第1弾として2020年度の会員数の推移について振り返ります。

【調査実施期間】2021年4月1日~4月30日
【調査対象】各同友会(事務局へ回答依頼)
【調査方法】e.doyuNEWアンケートより入力
【回答数】47同友会

全国の会員数の推移

2021年4月1日の全国の会員数は4万5593名でとなりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてもなお、「活動を止めない」と強い決意のもと、あらゆる手段や可能性を模索し、7同友会が増加の実績を残し、全体で4万5000名の会員数を堅持しました(図1)。

内訳を見てみると、2020年度1年間で入会した全国の会員は2549名(期首対比入会率5・36%)、退会者は4379名(同9・23%)となり、1830名減となりました。

経営環境激変により、全国的に入会数が伸び悩んだこと(2019年度4644名)が影響しました。

入会者数・退会者数の推移

全国の入会者数・退会者数の推移を見てみると、2008年度以降、入会者が横ばいで推移していましたが、2020年度入会数は2549名で、入会率は5・37%となっています。厳しい中にあっても徳島、兵庫、長野で最高会勢を更新、島根と秋田は創立以来の増勢を続けるなど、堅実に仲間づくりを行ったり、声かけで組織強化を図るなどの取り組みによって成果を上げました。(図2)

また、退会者数は4379名、退会率は9・23%と9年連続で10%を下回りました。

新型コロナ問題の影響は長期化も予想されます。オンラインの利活用で場所・距離・時間の制限がなくなり、さまざまな会合や活動が増えています。

また、オンラインでの開催が全国各地で行われていることで、所属の支部や地区の例会だけでなく、委員会・部会活動、研究集会やフォーラムも参加しやすくなっています。

一方で、実際に会って学び合うという同友会活動の本来のあり方や仲間づくりとして同友会のよさを直接伝えることの意義も改めて認識されています。仲間との本音・本質を突いた交流と真剣に経営を学ぶ機会の場の創出が改めて見直されています。同時にオンラインの会合に参加が難しい会員や新会員や会員候補者フォローも重要な課題となっています。

支部・地区~全国499支部・地区のうち、105の支部・地区が純増

全国には499支部・地区(昨年度より±0)があり、105の支部・地区で純増となり、全体の21%が1名以上の純増となりました(2019年度:234支部・地区、46・9%が純増)。1名以上純増している支部・地区の割合が減少しました。また、10名以上増強した支部は11支部・地区(2019年度:40支部・地区)ありました。

また、全国の支部・地区の増強では、兵庫の中はりま支部が純増41名と全国トップ、広島の広島東支部が28名、兵庫の東神戸支部が18名、福島の白河地区が15名と続いています(表1)。純増率では、滋賀の大津支部(高島ブロック)が21・6%(会員数37名→45名)、兵庫の中はりま支部(会員数199名→241名)と群馬の富岡安中支部(会員数34名→41名)が20・6%となっています。

新支部・地区づくりでは、山形の庄内支部の坂田地区会、千葉の白井支部(33名)が今年度新設されました。

市区町村別の対企業組織率(10%以上)と空白地域

2021年4月では市区町村別の対企業組織率で10%以上は71市区町村となりました。前回調査より4市町村減少しました。

昨年同様、北海道浜中町が34・48%と最も高く、福島の楢葉町と富岡町が、それぞれ33・33%、北海道別海町(26・71%)、北海道仁木町(24・44%)と続きます。陸前高田市は22・86%で市レベルでは最も高くなっています。

全国一896市区町村のうち1509市区町村(2020年4月:1517市区町村)に会員企業があります。昨年度に比べて8市町村減少(2020年4月:21市町村が増加)し、約8割(79・59%)となりました。

市町村別の会員増強

市町村別増強では、兵庫県姫路市が18名とトップ、長野市が17名、北海道苫小牧市と京都市山科区で12名、山形県酒田市で10名と10名以上の純増となった市区町村は5となりました。新型コロナの影響がある中で、287市区町村で1名以上の純増となりました。

※支部会勢の1年間の増減と、このデータによる「純増」は、支部間の移籍などもあるために入会者―退会者を純増として算出しています。

 2020年度より企業数の基礎データは2016年版経済センサス企業数で掲載しています。

「中小企業家しんぶん」 2021年 8月 5日号より