中小企業が主役の時代へ~新春の集い【山梨】

 1月26日、山梨同友会では新春の集いを開催しました。感染症拡大の中、急きょ完全オンラインでの開催となりましたが、約70名の会員が参加しました。

 講師に、中同協企業環境研究センター副座長の山本篤民氏(日本大学商学部准教授)を招き、「2022年中小企業経営の要諦はここにあり」をテーマとした報告の後、グループ討論を実施しました。

賃上げ環境整備の政策的視点を

 講演では、世界経済から日本経済の見通しを概観し、その中で中小企業が直面する課題や政策的な課題が語られ、中小企業が主役の時代に向けて会員への期待が提起されました。

 政府の骨太方針2021のグリーン成長戦略、デジタル化の加速、活力ある地方創り、少子化対策をキーワードに、中小企業淘汰論が吹き荒れる中、中小企業家が取り組むべき方向性が示唆されました。

 特に地球環境問題と地域の雇用創出を一体として考えること、就業の場を提供する存在である中小企業の維持発展と地域の魅力発信が重要であること、賃上げできる環境整備の政策的視点が必要なことなどが注目を集めました。

必死で生産性を上げても厳しい

 グループ討論では「必死に生産性を上げても原料高、最低賃金の上昇で経営は厳しさを増す」「とにかく同友会会員が積極的に地域や自社を発信して踏ん張るしかない」といった率直な議論が交わされました。

 まとめでは「これまで会員が培ってきた経営実践事例を参考に、雇用の維持と経営指針の全社的実践、社員教育の基本を徹底してこの難局を乗り切ろう」「経営者は情勢を科学的に見て具体的な実践あるのみ。苦しいときは一点突破の全面展開」と確認し、新年への思いを新たにしました。

「中小企業家しんぶん」 2022年 2月 15日号より