「その職場どないすんねん!本気にならなアカン!」岡山同友会「2022新春経営講演会」

 岡山同友会は1月27日、恒例の新春経営講演会を今年も開催し、約300名(オンラインでの団体視聴を含む)が参加しました。報告者には(株)山田製作所・山田茂会長(大阪同友会代表理事)が10年ぶりに登壇。「その職場どないすんねん! 本気にならなアカン!」と題して、この間の企業づくりについて詳細に報告しました。

 今回の講演会は、会内外に案内を始めた矢先にオミクロン株が全国的に急拡大し、実行委員会は何度も開催要件などの見直しを迫られましたが、オンライン配信を併用するとともに現地会場の感染防止を徹底することで予定通りの開催にこぎ着けました。

 山田氏はコロナ禍の対応について「リーマンショックや東日本大震災の経験が糧になった」と言い、感染の拡大が報じられるや否やいち早く社員の雇用と待遇の死守を宣言すると同時に、売上30%減でも利益を確保できる緊急経営計画書を作成。全員で限界利益率向上に努めたことで黒字を確保した体験を語りました。それを可能にしたのは、失敗の繰り返しの中で培った労使の信頼関係であり、また「決めたことは全員で守る」組織風土、そして「自分に責任を持ち、共に尊重し合える仲間」を追求し続けてきた結果であると述べました。そして『労使見解』の「経営者は企業の全機能をフルに発揮させて、企業の合理化を促進して生産性を高め、企業発展に必要な生産性と利益を確保するために全力を傾注しなければなりません」の記述を引用し、「ここで言う『全機能をフルに発揮させる』とは、設備や機械の稼働を指すのではなく、社員一人ひとりの潜在能力を最大限に引き出すことにほかならない」と強調。「人を生かす経営」の本義もまたこの点にあることを説きました。

 参加者からは「同友会の本物の学びが実感できた」「『社内の課題は経営者が努力すれば100%解決できる』という言葉に自分の逃げ腰を見透かされた思いだった」「『今の私は何やねん!』と反省することばかりで、『立ち止まっている場合じゃない!』と叱咤激励されているようで心が震えた」など、さまざまな感動の言葉と数多くの感想が寄せられました。

「中小企業家しんぶん」 2022年 3月 25日号より