【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】社会、経済が激変した今だからこそ、新しい価値創造をめざす~ビジネスアイデア発想訓練実験室の活動

 新型コロナウイルス感染症や世界情勢の影響で先行きが見えないという企業が多い中、山形同友会では、この難局を乗り切るため、2021年5月にスマイルパートナーラボ(以下、SPラボ)という勉強会を発足させました。これまでも、「仲間づくり」「仕事紹介」「地域課題解決に向けた連携事業」のためのプロジェクトとして「スマイルパートナー」活動を行ってきましたが、各企業の強みを生かした連携によって、新たな価値創造に至る取り組みをしたいとの思いからSPラボを立ち上げました。

 まずは、社会・企業が持つ課題解決に向けて、自由闊達な発想やアイデアの組み合わせのお稽古からスタート。前半数カ月は、参加者が新しい糸口を見つけて行動に移すことを目的にアイデア出し訓練を行いました。後半は、アイデアを「ビジネスモデルキャンパス」というフレームワークへ落とし込み、より具体化するワークを複数回開催しました。アイデアを思いつきで終わらせず、さまざまな角度から検証して新商品、新サービス誕生を促すのが目的です。さらには新商品、新サービスを世に出すにあたり、宣伝広告費をかけず訴求するためにマスコミの力を借りるプレスリリースの作り方も学びました。

 一連の活動によって企業間連携のビジネスプランが4例誕生しました。新たに生み出されたビジネスプランは、(1)スマイルパートナー的連携事業、(2)レクリエーションサポート事業、(3)生活に潤いを与えるソリューション事業、(4)地域の若者が元気になる事業です。それぞれ2社以上が連携し、各企業の「強み」を持ち寄って化学反応を起こさせた、今まで世に出たことのないユニークなものばかりです。そのすべてが地域社会に貢献できるものとなっています。

 1年間の活動を通しての最大の学びは、自由闊達な発想は出し尽くすことが重要であるということ、出し切った数あるビジネスアイデアの中に珠玉の1粒を見いだすことができるということです。アイデア出しもフレームワークもプレスリリースも、自分の頭をフル回転する大変な作業を経て最大の効果を発揮します。

 今後もこの活動を継続し、新たな商品、サービスを生み出していきます。

山形支部副支部長・SPラボ総括 (有)グッピー園代表取締役 高橋 明

「中小企業家しんぶん」 2022年 11月 15日号より