調査・研究

新型コロナ大不況、中小企業を存亡の危機へ
DOR132号(2020年1〜3月期景況調査)速報

業況判断・業況水準・売上高・経常利益はすべてが二桁のマイナス20〜30に下落!

 業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)は△13→△31、足元の景況を示す業況水準DI(「良い」−「悪い」割合)は△3→△23、売上高DI(「増加」−「減少」割合)は△10→△27、経常利益DI(「増加」−「減少」割合)は△11→△25と、マイナス20〜30に下落した。見通し・想定を大きく上回る景気悪化だが、コロナ不況はまだ入り口、底は見えない。
 アベノミクスの限界、米中貿易摩擦で疲弊した景況は、2019年10月の消費増税をきっかけにさらに低迷し、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で下押しされ、リーマンショック後に生じたような状態に向けて下降線をたどっている。閣僚からは「リーマンショック並みか、それ以上の可能性がある」との見通しが示された。三重、四重の困難のなか、中小企業は存亡の危機に立っている。
 業況判断DIを業種別に見ると、建設業が△4→△15、製造業が△25→△39、流通・商業が△16→△34、サービス業が1→△28と、マイナス圏で大幅に悪化した。地域経済圏別では、北海道・東北が△11→△23、関東が△13→△36、北陸・中部が△17→△33、近畿が△35→△35、中国・四国が2→△24、九州・沖縄が△6→△35と、すべて二桁のマイナス20〜30に下落した。企業規模別では、20人未満で△12→△28、20人以上50人未満で△16→△35、50人以上100人未満で△14→△38、100人以上で△9→△23と、全企業規模で二桁のマイナス圏に下落した。
 次期(2020年4〜6月期)以降は、業況判断DIが△31→△42、業況水準DIが△23→△39、売上高DIが△27→△35、経常利益DIが△25→△36、と予測。二桁のマイナス30〜40に下落が進展する予測である。次期の業種別の業況判断DIでは、建設業が△15→△29、製造業が△39→△50、流通・商業が△34→△52、サービス業が△28→△27と、製造業と流通・商業がマイナス50以上に落ち込む予想である。

コロナショックなど従来の売上の激減を予想、スピード感を持って対応していく

 採算面では、仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)が37→27と、10ポイント下落。売上・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)も12→6と6ポイント下降し、仕入単価DI−売上・客単価DIの差も25→21で下がった。金融面では長短の借入難度DI(「困難」−「容易」割合)の安易化傾向は変わらずだが、資金繰りDI(「余裕有り」−「窮屈」割合)で製造業がマイナス側(窮屈)になった。
 雇用面では、正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)は4→△5と大幅減少し、臨時・パート・アルバイト数DIは2→△7と初めてマイナスになった。所定外労働時間DI(「増加」−「減少」割合)は△11→△23と大幅減少した。また、人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△44→△31と柔らいだ。設備投資では設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△17→△14と過剰感が強まった。
 経営上の問題点では「民間需要の停滞」が33%→42%と顕著な上昇をみせ1位に。代わって、「従業員の不足」が37%→30%と凋落し、10期連続の1位から転落した。「人件費の増加」が35%→29%で3位であった。特に製造業では、「民間需要の停滞」が40%→52%に断トツの1位となった。 会員からは、「コロナショックなど従来の売上の激減が予想される。需要のある商品、客先を見極め、スピード感を持って対応していく。とにかく、厳しい状況は続くと思われるので、財務体質を含め、持続できる経営環境を整える(広島、製造業)」など緊張感ある声も多く聞かれた。

首相は緊急事態宣言を発令、中小企業は連帯の力で危機を乗り切ろう

 日銀短観は「大企業・製造業」が△8と8ポイント悪化し、7年ぶりにマイナスに転落。「中小企業・製造業」も△15と6ポイント悪化。悪化は5四半期連続になる。GDP(国内総生産)は2019年10〜12月期の実質成長率が年率換算で7.1%の大幅なマイナスとなった。 世界中が新型コロナの脅威に揺れている。4月7日、安倍首相は緊急事態宣言を発令し、経済対策108兆円を用意した。中小企業は「1社もつぶさない」覚悟で、連帯の力で危機を乗り切ろう。

(2020年4月8日発表)

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は2020年4月30日発行のDOR132号をご覧ください

[調査要領]
調査時:2020年3月1〜15日
対象企業:中小企業家同友会会員
調査の方法:郵送により自計記入を求めた
回答企業数:2,345社より930社の回答をえた(回答率39.7%)
   (建設174社、製造業291社、流通・商業263社、サービス業190社)
平均従業員数 :役員を含む正規従業員38.1人
        臨時・パート・アルバイトの数27.5人

PDF資料はこちら(PDF553KB)

このページの先頭にもどる

携帯用二次元バーコード
携帯対応について

更新情報RSS