調査・研究

コロナ大不況なおも拡大 中小企業は危機の深化・長期化の様相
DOR133号(2020年4〜6月期景況調査)速報

業況判断・業況水準・売上高・経常利益はすべてがリーマンショックと同水準に

 業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)は△31→△58、足元の景況を示す業況水準DI(「良い」−「悪い」割合)は△23→△49、売上高DI(「増加」−「減少」割合)は△27→△55、経常利益DI(「増加」−「減少」割合)は△25→△54と、大幅なマイナスを印した。前回の想定を大きく上回る景気悪化だ。
 6月に入り、移動・営業の規制を緩和する国もあるが、世界的には新型コロナのパンデミック(感染症の世界的大流行)は勢いを増し、感染者が1128万人、死者は53万人と増勢は止まらない(2020年7月6日)。IMFは世界成長率を2020年4.9%減と予測。2021年は第2波が発生すればゼロ成長と予測した。パンデミック危機は深まり、コロナ大不況は第2段階へ入った。
 指標は、リーマンショック時と並んだ。2009年1〜3月期の業況判断DIが△59であったので、同程度の低水準ではある。今後は新型コロナの感染拡大の状況次第のところもあり、不透明感が強い。
 業況判断DIを業種別に見ると、建設業が△15→△49、製造業が△39→△64、流通・商業が△34→△58、サービス業が△28→△58と、マイナスがさらに悪化した。地域経済圏別では、北海道・東北が△23→△51、関東が△36→△60、北陸・中部が△32→△58、近畿が△35→△71、中国・四国が△24→△56、九州・沖縄が△35→△52と、すべてがマイナス50〜70に下落した。企業規模別では、20人未満で△28→△57、20人以上50人未満で△35→△59、50人以上100人未満で△38→△63、100人以上で△23→△59と、全企業規模で規模に関係なく大幅なマイナスに下落した。
 次期(2020年7〜9月期)以降は、業況判断DIが△58→△60、業況水準DIが△49→△56、売上高DIが△55→△54、経常利益DIが△54→△53、と予測。下落するが、一息ついた予測である。次期の業種別の業況判断DIでは、建設業が△49→△51、製造業が△64→△66、流通・商業が△58→△63、サービス業が△58→△56と、製造業と流通・商業がさらに落ち込むと見ている。

コロナ後の未来秩序を想像し、大胆に取捨選択、単純化あるいは方向転換していく

 採算面では、仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)が27→6と、21ポイント下落。売上・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)も6→△10と16ポイント下降。仕入単価DI−売上・客単価DIの差も21→16で下がった。金融面では長短の借入金増減DI(「増加」−「減少」割合)が今期を境に切り替わった。特に、長期資金は△27→22と劇的な変化であり、借入金を思い切り厚くしている。しかし、資金繰りDI(「余裕有り」−「窮屈」割合)では余裕有りの方が多くなっている。
 雇用面では、正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)は△5→△11、臨時・パート・アルバイト数DIも△7→△21と著しく減少した。所定外労働時間DI(「増加」−「減少」割合)は△23→△51と一段と減少した。人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△31→4と今期初めてプラス側に。設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)も△14→△4と過剰感が強まった。 経営上の問題点では「民間需要の停滞」が42%→56%と顕著な上昇をみせ断トツの1位に。「従業員の不足」が30%→16%と凋落し、2位から6位に転落した。なお、「その他」が16%→22%で3位になったが、「新型コロナウイルスの影響」が入るのだろうか。
 会員からは、「コロナ後の未来秩序を想像し、…我が社が経営していく経済環境自身が変わることを念頭に、会社業務遂行の現状を棚卸しし、大胆に取捨選択、単純化あるいは方向転換していく必要があると考えています(愛媛、紙卸売)」など同友会会員らしいアフター・コロナの議論も聞かれた。

新型コロナの第2波に警戒!中小企業は早急に経営計画を見直そう

 日銀短観は「大企業・製造業」が△34と26ポイント悪化し、リーマンショック後の11年ぶりの低水準となった。「中小企業・製造業」も△45と30ポイント悪化。GDP(国内総生産)は2020年1〜3月期の実質成長率が年率換算で△2.2%のマイナスだが、4〜6月期は「20%減」の予測もある。
 世界中が新型コロナの第2波の警戒感に揺れている。さらなる景気悪化の可能性が高まれば、追加的な対策が求められよう。中小企業は早急に経営計画を見直し、どんな経営環境にも対応していこう。

(2020年7月8日発表)

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は2020年7月31日発行のDOR133号をご覧ください

[調査要領]
調査時:2020年6月1〜15日
対象企業:中小企業家同友会会員
調査の方法:郵送により自計記入を求めた
回答企業数:2,337社より1,068社の回答をえた(回答率45.7%)
   (建設181社、製造業327社、流通・商業314社、サービス業234社)
平均従業員数 :役員を含む正規従業員40.85人
        臨時・パート・アルバイトの数33.00人

PDF資料はこちら(PDF597KB)

このページの先頭にもどる

携帯用二次元バーコード
携帯対応について

更新情報RSS