調査・研究

コロナ大不況の先行きは全く不透明コロナ禍からの復調じわりも
依然厳しい不況下
DOR135号(2021年10〜12月期景況調査)速報

業況判断・業況水準・売上高・経常利益は2020年1〜3月期=コロナ初期と同程度まで戻す

 業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)は△45→△30、足元の景況を示す業況水準DI(「良い」−「悪い」割合)は△36→△19、売上高DI(「増加」−「減少」割合)は△47→△31、経常利益DI(「増加」−「減少」割合)は△44→△26と、二期連続の回復が見られるが、なお二桁のマイナス圏に留まる。2020年1〜3月期=コロナ初期段階とおおむね同程度まで戻したと見られる。
 新型コロナのパンデミック(感染症の世界的大流行)を受け、世界経済に再びブレーキがかかりそうだ。民間エコノミストの予測によると、日米欧の10〜12月期のGDP(国内総生産)は、従来予測よりも下振れする。特に感染拡大が深刻な欧州はマイナス成長に陥る見通し(日本経済新聞、2020年12月17日付)。日本でも年末年始にかけて、感染者が連続で史上最高を記録するなど暗雲が垂れ込めている。
 業況判断DIを業種別に見ると、建設業が△34→△17、製造業が△61→△42、流通・商業が△44→△29、サービス業が△35→△24と、2020年1〜3月の水準に戻した。地域経済圏別でも、北海道・東北が△50→△32、関東が△47→△26、北陸・中部が△46→△33、近畿が△55→△34、中国・四国が△38→△25、九州・沖縄が△38→△27と、すべてがマイナス20〜30にあるが、マイナス圏で回復した。企業規模別では、20人未満で△42→△31、20人以上50人未満で△48→△31、50人以上100人未満で△49→△27、100人以上で△50→△30と、全企業規模でほぼマイナス30前後に戻した。
 次期(2021年1〜3月期)以降は、業況判断DIが△30→△27、業況水準DIが△19→△30、売上高DIが△31→△24、経常利益DIが△26→△23、と予測。危機はほぼ変わらず、長期化を見込む。次期の業種別の業況判断DIでは、建設業が△17→△25、製造業が△42→△28、流通・商業が△29→△29、サービス業が△24→△26と、次々期を視野にいれると建設業と製造業が入れ替わり、建設業が停滞を見込む。

DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務改革だけではなく、『人間力』の向上も大切に

 採算面では、仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)が7→9に、売上・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)も△9→△2となり、仕入単価DI−売上・客単価DIの差も16→11で減少した。金融面では長短の借入金増減DI(「増加」−「減少」割合)が前期を境に切り替わり、今期も借入金を思い切り厚くしているが、短期借入金増減は22→11、長期借入金は34→26と数値は多少下がった。
 雇用面では、正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)は△15→△7とやや増加し、臨時・パート・アルバイト数DIは△20→△10と増加した。所定外労働時間DI(「増加」−「減少」割合)は△42→△31と若干増加に戻した。人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△7→△17と前期再びマイナス側に触れたが、今期はその勢いを安定させた。設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)も△7→△10と再び不足感を強めた。
 会員からは、「時代の変化は業務改革の『DX』等に代表される大きな改革を求めています。…一方、これらの改革だけですべてが解決するとは考えておらず、各社員の『人間力』の向上、情報の処理力や顧客のニーズを読みとる総合的な“力”を醸成することが大切であると考え、社員教育を行っています(大阪、流通・商業)」など同友会会員らしいバランスのある教育論も聞かれた。

「地方の問屋としてコロナで元気になった」

 採算面では、仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)が6→7とほぼ同じ。売上・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)も△10→△9とほぼ同じ。仕入単価DI−売上・客単価DIの差も16→16で横ばいとなった。金融面では長短の借入金増減DI(「増加」−「減少」割合)が前期を境に切り替わり、今期も借入金を思い切り厚くしている。短期借入金増減は16→22、長期借入金は22→34と数値が上昇。
 雇用面では、正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)は△11→△15とやや減少し、臨時・パート・アルバイト数DIは△21→△20と横ばいとなった。所定外労働時間DI(「増加」−「減少」割合)は△51→△42と若干増加に戻した。人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は4→△7と前期初めてプラス側に来たが、今期再びマイナス側に。設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)も△4→△7と再び不足感が強まった。
 経営上の問題点では「民間需要の停滞」が56%→57%と断トツの1位にある。最近上昇してきた問題点に「取引先の減少」がある。21%→22%で3位となった。前回凋落した「従業員の不足」が16%→20%と、6位から5位に戻した。
 会員からは、「1月以来、売上、利益とも前年をわずかですがクリアしてきました。地方の問屋としてコロナで元気になった。地域の食品スーパーにオープンで公平な、また情報を流して改めて信頼を確保し、これからの地元スーパーの価値を確認し、営業の自信を取り戻しつつあります(静岡、流通・商業)」など同友会会員らしい営業の自信を取り戻しつつある意見も聞かれた。

さらなる景気悪化の可能性が高まる

 日銀短観は「大企業・製造業」が△27→△10と17ポイント改善し、2四半期連続で改善した。新型コロナウイルスの感染拡大前と比べると、なお低水準にとどまった。「中小企業・製造業」も△44→△27と17ポイント改善した。GDPは2020年7〜9月期の実質成長率が年率換算で22.9%となったものの、感染状況次第では10〜12月期にはマイナス成長になるおそれがある。
 世界中が新型コロナによる、さらなる景気悪化の可能性が高まり、二番底リスクを抱える。しかし、明けない夜はない。中小企業は、どんな経営環境にも対応できるよう努力をしていこう。

(2020年1月6日発表)

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は2021年1月29日発行のDOR135号をご覧ください

[調査要領]
調査時:2020年12月1〜15日
対象企業:中小企業家同友会会員
調査の方法:郵送により自計記入を求めた
回答企業数:2,228社より944社の回答をえた(回答率41.26%)
(建設175社、製造業293社、流通・商業274社、サービス業190社)
平均従業員数 :役員を含む正規従業員39.43人
        臨時・パート・アルバイトの数35.23人

PDF資料はこちら(PDF672KB)

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