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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2015年 3月 5日号

▼1月31日、元ドイツ大統領ワイツゼッカー氏の死去が伝えられました。94歳でした。少なからぬ日本人が感慨深く氏の残した言葉を思い起こしたのではないでしょうか

▼1984〜94年の大統領在任中にナチスの戦争責任を直視する発言をしたことは世界中の人たちの心を動かすものとなりました。1985年5月8日、ドイツの終戦40年の記念日に行った演説の中で「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目となる」と述べました。ナチスの残虐性を次の世代に伝え、戦争責任の反省に力点をおいたメッセージです

▼父親はナチスの高官で「ニュルンベルク裁判」で有罪となり、氏自身も大戦中は隣国ポーランドへの侵攻に従軍しました。戦後は保守系の政治家として活躍しますが、東西冷戦の融和に努力し、ドイツの戦後を代表する政治家としての信頼を国の内外から集めました

▼ひるがえって日本も戦後70年を迎えます。総理がどのような「談話」を出すかに注目が集まっています。それも大事なこと。同時に、われわれ国民一人ひとりが過去の歴史としっかり向き合い、自らの判断を持つことです。そして発信しましょう。平和でこそ中小企業は発展するのですから。

「中小企業家しんぶん」 3月 5日号より


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