中小企業憲章と私

地域の状況つかみ、あるべき姿を共に追求

北海道同友会代表理事 守 和彦 ((株)ダテハキ社長)


 中同協では現在、「新しい地域の姿、国の形を作る」中小企業憲章制定運動を展開しています。今号から、「中小企業憲章学習運動推進本部」の委員の皆さんに、なぜ「私」は憲章運動に取り組むのかについて語っていただきます。(毎月15日号掲載)


 2003年の中同協定時総会が福岡で行われました。この年5月の北海同友会の総会で代表理事を務めることとなり、福岡での全国総会では第13分科会で学んでほしいとの事務局からの指示でした。北海道からはもう1人の代表理事である三神氏ほか6名が第13分科会への出席となりました。

 この分科会で初めて「中小企業憲章」という言葉に出合いました。グループ討論では、この分科会で何を学べばよいのかという質問が多く出るほど、参加したメンバーのほとんどがよく理解できないままで福岡を後にしたように思います。北海道に戻り、全国総会の報告では、13分科会に出席した全員が「よくわからなかった」という報告でした。

 それから1年が経過して、全国の仲間は中小企業憲章をどうとらえているのかを確認したくて、2004年の岡山での全国総会に出席しました。全国の仲間の状況を聞き、いよいよ動き出すのだ! という実感でした。

 ヨーロッパ小企業憲章でうたわれている、われわれ中小企業は、(1)経済のバックボーンである、(2)雇用の源である、(3)ビジネスアイデアを育てる大地である、を学んだからこそ、中小企業の存在感を意義づけて、中小企業の成長と発展のための環境を作る運動だと確信が持てました。

 毎月行われる全道の理事会のたびに、中小企業憲章の制定運動に取り組む考え方の話をしていて、この思いをどう伝えるとよく理解してもらえるのか、とそんな思いになっていたとき、昨年11月20〜21日に憲章の研修交流会が東京で行われると聞きました。そこで、なぜ今この運動に取り組むのか、そしてこの運動の精神的バックボーンである赤石会長の考えを直に聞いてほしいと訴えましたら、15名の会員が全道から集まってくれました。仲間の力強さに、いつも経済活動の話になると北海道の弱さが一段と強調されるだけに、この学びを通して、会員企業の経営基盤の強化を第一に、運動を通して自分たちの地域づくり、ひいては国づくりへと進めたいという思いを強くしました。

 北海道では、まず自分たちの地域を確認するために、各地域のこの10年の状況をあらゆる角度から調べてみようということになりました。またそれと並行して、各地にあるはずの中小企業振興条例についても学び、学びあう中で会員同士はもちろんのこと、行政、学者、金融の仲間も取り込んで、共にあるべき姿を追求しようという気運が高まってまいりました。さらにこの1年、学びの成果を楽しみに進めたいと考えております。

「中小企業家しんぶん」 2005年 4月 15日号から

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