中小企業憲章と私

改正建築基準法問題で憲章の必要性を痛感

沖縄同友会副代表理事 東恩納 隆((株)アイマネージメント社長)


 私は、福岡であった2003年の全国総会では、別の分科会の報告者だったため、その分科会のことだけが頭にあり、中小企業憲章のスタート時点での認識はあまり高くはありませんでした。

 よい経営環境の改善運動への取り組みが全国展開する中で、自分の地域活性化をどうするか、大局を見る目を全国の動きに対応して進めようと、全国総会などに参加するときは、意識的に地域経済振興、地域産業政策等に関する分科会に出席し、問題意識を高めてきました。

 2004年4月、県総会で「中小企業憲章」「中小企業振興基本条例」の制定運動を重点方針として採択。同年8月、役員研修講座の学習会「なぜ日本で『中小企業憲章』なのか」(講師/杉村征郎・静岡同友会代表理事)が憲章と向き合った始まりです。

 学習する中で、「Think Small First」の精神、さらには「中小企業はこれまで軽く扱われていた。われわれはそういう存在ではない」などが強く印象に残りました。

 2007年10月3〜4日、中同協政策委員会で、建築確認申請の認可遅滞の影響に関する緊急取り組みの提言が愛知同友会より提起されました。

 沖縄県内でも早速「建築確認遅延問題に関する緊急の陳情」、さらには会員に対する緊急アンケート調査を実施するなどして、同友会としての見解を発表しました。改正建築基準法問題で県は、「着工は落ち込まず、申請件数は回復しており、年度末にも正常化する」との見解を発表するなど、見解が異なりました。

 要は、この問題をどの観点でとらえるかです。社会的に大きな影響拡大の懸念は頭になく、あらゆる施策を実施する上で中小企業への配慮が欠ける実例の1つです。今こそ憲章がいかに必要かを痛感しました。

 この問題では、大林弘道・神奈川大学教授の感想が強く印象に残りました。「建築認可申請の遅延問題は、憲章がいかに必要かを改めて認識させた。『Think Small First』のthinkすらなかった」。

 まさに沖縄でも同じことが言えます。条例に1つの区切りをつけ、じっくり憲章制定運動に進みたい。憲章制定運動は、私にとって、自分自身の頭の活性化を図るためのボケ防止運動でもあります。

「中小企業家しんぶん」 2007年 12月 15日号から

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