学習資料(中小企業憲章)

Q5中小企業憲章は、何を主張していますか

 「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」とあります。これまで、中小企業の経済的役割については、いろいろ位置づけてきましたが、中小企業の社会的役割に着目したのは憲章が初めてです。
 前文では、日本経済のさまざまな局面の中で、中小企業が挑戦を続けることで活力を見出して乗り越えてきたことを述べています。内需と外需で中小企業の新しい力を発揮し、日本の未来を切り拓(ひら)いていってほしいと期待を述べ、そのためには、「政府が中核となり、国の総力を挙げて、中小企業の持つ個性や可能性を存分に伸ばし、自立する中小企業を励まし、困っている中小企業を支え、そして、どんな問題も中小企業の立場で考えていく」としています。
 基本理念は、中小企業に対する基本的な認識を整理したものです。「中小企業は、経済やくらしを支え、牽引する。創意工夫を凝らし、技術を磨き、雇用の大部分を支え、くらしに潤いを与える」という認識をまず示しています。そして、「不安解消の鍵となる医療、福祉、情報通信技術、地球温暖化問題を始めとする環境・エネルギーなどは、市場の成長が期待できる分野でもある。中小企業の力がこれらの分野で発揮され、豊かな経済、安心できる社会、そして人々の活力をもたらし、日本が世界に先駆けて未来を切り拓くモデルを示す」と中小企業の活躍への期待を述べています。「創意工夫」はイノベーションと言い換えてよく、「中小企業は、その大いなる担い手である」と基本理念を結んでいます。
 5つ掲げている基本原則は政策目標と考えてよいでしょう。1、経済活力の源泉である中小企業が、その力を思う存分に発揮できるよう支援する。2、起業を増やす。3、創意工夫で、新しい市場を切り拓く中小企業の挑戦を促す。4、公正な市場環境を整える。5、セーフティネットを整備し、中小企業の安心を確保する。この後、「これらの原則に依り、政策を実施するに当たっては」とあって、6項目記載していますが、最初に「中小企業が誇りを持って自立することや、地域への貢献を始め社会的課題に取り組むことを高く評価する」としています。
 最後にあらためて、「これからは、一人ひとりが、力を伸ばし発揮することが、かつてなく重要性を高め、国の死命を制することになる」ことを強調し、そのためには「起業、挑戦意欲、創意工夫の積み重ねが一層活発となるような社会への変革」が必要であり、中小企業への期待が高まっています。
 その期待と実現に向けた政府の決意を宣言して結んでいます。

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