学習資料(中小企業憲章)

Q5 中小企業振興基本条例について

中同協は中小企業憲章とともに中小企業振興基本条例の各自治体での制定や見直しを提起していますが、なぜ必要なのですか。

 第1には、中小企業憲章の地域版であり実践版である中小企業振興基本条例づくりに取り組むことで、憲章の具体的イメージをつかむとともに、各同友会が条例づくりで築いた地域の諸団体等との連絡協力関係を憲章運動でも生かしていけることです。

 第2には、地域の実態に各同友会・支部が目を向け、地域の中小企業を守り発展させ、荒廃する地域社会の再生につながる条例制定に取り組むことは、同友会理念の「国民や地域と共に歩む中小企業」の実践であり、地域での同友会の存在感を示すことにつながります。

 第3には、金融アセスメント法制定運動で同友会と地域金融機関との相互理解が進む中で、地域の再生・振興にとっては、金融環境の改善、資金循環が良くなるだけでは十分でなく、地域経済そのものの体力をつけることが必要であるとの共通認識に至りつつあります。金融アセス運動の発展の1つとして、地域での条例づくり運動が展望されてきました。

条例の制定や見直しでどのような効果が期待できますか。

 中小企業基本法では、第6条に「地方公共団体の責務」の項目を設け、「国との適切な役割分担を踏まえ、その地方公共団体の区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」と述べています。

 スポット的な中小企業施策ではなく、継続的で系統的に成果を上げる施策の実施やそのために必要な予算の確保の担保になるのが中小企業振興基本条例です。

 条例は、地域ぐるみで中小企業を重視し、支援するという公の「宣言」として地域の中小企業を励ます大きな意義があります。

 中小企業振興基本条例を「理念条例」に終わらせないカギは「産業振興会議」の設置など市民参加型の推進体制を築くことです。「中小企業・自営業者の議会」とも言える機能を「産業振興会議」が担うことで、現場のニーズにそった施策が可能になり、若手産業人の育成など地域の次代を担う人材の育成の場となります。

 また、条例は、行政の職員の意識改革につながります。条例の理念を深く理解し、「役所の外に出て行き一緒にものを考える」のが当たり前になり、中小企業者と同じ目線で考えて要望を施策化できる職員を輩出することが可能になります。

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