<< 中小企業家しんぶんのトップに戻る

中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2020年 11月 5日号

▼最近、一部のマスコミで「生産性の低い中小企業は淘汰(とうた)されるべき」などの議論が目立っています。果たしてそうなのでしょうか

▼企業を評価するものさしは生産性だけではなく、多様であるべきです。中小企業は多様な雇用の場の提供、地域経済への貢献、地域社会の担い手などさまざまな役割を果たしています。生産性だけでは評価できない多くの役割や価値を総合的に評価する必要があります

▼また中小企業の生産性について、2016年の中小企業白書によれば、平均値では中小企業の生産性は低いものの、製造業では約1割、非製造業では約3割もの中小企業が大企業平均を上回ると分析しています。平均値だけを捉えて「中小企業は生産性が低い」という紋切型の見方をしてしまうと誤った方向に進んでしまいかねません

▼生産性を高めるために個々の企業が努力することは当然ですが、自社の経営努力だけでは解決できない取引環境、競争環境の問題があります。中小企業庁も近年特に取引適正化を重視していますが、その点での政策強化も不可欠です。ポストコロナで地方分散型社会への転換が求められている中、中小企業重視の政策こそが求められています。

「中小企業家しんぶん」 11月 5日号より


このページのトップへ