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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2024年 4月 5日号

▼日銀は3月19日、マイナス金利に象徴される異次元の金融緩和政策に終止符を打ちました。23年の消費者物価は総合で3・2%上昇、大手企業の賃上げは33年ぶりの5%超え。焦点は中小企業の賃上げがどうなるか、注目される中での政策転換です

▼北海道同友会が3月14日に発表した「賃上げ・初任給の腹づもりアンケート調査」では回答企業の73%が賃上げをすると回答。平均額は6904円、率で2・87%、中央値は5000円でした。前年調査の数字から金額、率とも下回るも、賃上げは何としても実施したいという経営者の思いが伝わってきます

▼中小企業白書では、20年度の大企業の労働分配率が57・6%に対し、資本金1000万円未満の企業は86・5%。賃上げ余力の差は歴然です

▼春闘で満額回答を提示した企業には、下請法違反で是正勧告を受けた自動車メーカーも含まれていました。「Win‐Winの関係とは、お互いが勝つのではなく、強い者が2回勝つという意味か」(加護野忠男・神戸大学名誉教授)という言葉が刺さります。公正取引の推進と適正な価格転嫁の実現。誇りをもって働ける賃金水準を実現させるため、社員と共にビジョンの具体化を図る時です。

「中小企業家しんぶん」 2024年 4月 5日号より


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