<< 中同協・各地の活動の目次に戻る印刷用画面 >>

【08.12.05】大阪・憲章レポートの取組みに学ぶ〜大阪同友会代表理事・中小企業憲章推進本部長 中島 幸子

 2004年7月の中同協第36回定時総会(岡山)で、中小企業憲章の大学習運動が提起され、大阪同友会では05年4月の総会で中小企業憲章本部の設置を決めました。06年1月から本格的な学習運動を開始。07年度から全会員に「憲章レポート」の作成を呼びかけ、524社分を回収して分析を行うとともに、11の自治体と懇談しました。

 各支部の幹事会では、このレポートにもとづいて経営課題などの議論を行い、現状認識を深め、経営指針づくりや会員増強の大切さをさらに実感する意見交換が行われるようになりました。今年度も2回目の憲章レポートに取り組み、年度内1000社の提出をめざしています。

 大阪同友会として本課題に取り組む意義について、9月の創立50周年を記念した座談会での、中島幸子・大阪同友会代表理事のまとめ(要旨)から紹介し、同会が府商工部と懇談した様子やレポートの項目を紹介します。

地域経済の主役という誇りと気概を

大阪同友会代表理事・中小企業憲章推進本部長 中島 幸子

 中小企業憲章制定運動は、中小企業が国民生活を安定化させて地域を活性化させていく、その上での重要な役割を担っているという認識からスタートすることが大切です。私たちは経済の脇役ではなくて、重要な役割を担う主役だという誇りと気概が出発点です。

 中小企業が誇りを持つという1つの運動ではないかとも思っています。

 大阪は地盤沈下が激しい地域です。2001年から2006年の調査では、5年間で28万人、6・3%従業者が減っています。

 中小企業経営者として、自社を魅力あるいい会社にして、従業員を増やすことも大事です。大阪経済を活性化するためにも、1人でも社員を増やしていくことが大切だと思います。

 憲章の運動というのはよく同友会「3つの目的」の3番目「経営環境の改善」だと言われますが、3つの目的の総合的な実践運動だと考えています。

 私たちがやっていくべきことは、第1に、自社の経営に憲章を引き寄せていくことです。そのために身近にあるのは憲章レポートです。「一部の人の運動」では、とても国民運動のレベルにはなりません。

 第2に、自社が今できることは何か? これからどうしていくのか? をしっかり考えて、経営指針を作成して実践していくことです。その中で新しい仕事をつくり、雇用を増やしていくということが大切です。

 第3に、私も含めて、もっと勉強していこうということです。

 行政との懇談会を進め、中小企業振興基本条例を制定していくことが必要です。憲章は国家版ですが、地域版では振興条例です。そのために1行政区1支部くらいの同友会になっていかないと進んでいかないと思います。組織の強化、増強運動も憲章運動の1つとして進めていくことが大切になっています。

地域活性化条例等、大阪府と懇談

 11月11日、大阪同友会は大阪府商工労働部と懇談し、両者とも5名が参加。今年7月に提出した「2009年度大阪府中小企業政策に関する要望と提言」の中の「重点要望」3項目についての回答をもとに意見交換しました。

 「地域経済と中小企業の活性化条例(仮称)」の制定についてや、小中学校への職業教育の導入、保証料率改定による負担増の緩和措置について懇談しました。

2008年度版・中小企業憲章レポート用紙(大阪)

問1 御社の業種は何でしょうか?主な業務内容の方でお答え下さい。
問2 該当する正規社員数をご記入下さい。
問3 「自社を取り巻く業界」については、昨年度の憲章レポートから以下のようなことが多く挙げられました。それを参考に、改めて、「自社を取り巻く業界」について気になっている点がありましたら、「記入欄」にお書き下さい。
問4 「今後の自社の方向性・経営戦略」については、昨年度の憲章レポートから以下のようなことが多く挙げられました。それを参考に、改めて、最近考えられていることがありましたら、「記入欄」にお書き下さい。
問5 「経営戦略上、自社で解決できない外部阻害要因」については、昨年度の憲章レポートから以下のようなことが多く挙げられました。それを参考に、改めて、最近感じていることがありましたら、「記入欄」にお書き下さい。
問6 「中小企業憲章に盛り込むべき内容」として、以下の項目の中で、「是非実現する必要がある」と思われる項目について○をご記入下さい。
(1)中小企業が地域を活性化させ、国民生活を豊かにしていく重要な役割を担っていることを明確にする。
(2)大企業と中小企業の間にある不公正な取引環境を改め、公正な経済環境をつくる。
(3)中小企業の自助努力が報われ、経営が維持発展できる税制や金融制度に改める。
(4)地域の特性に応じた中小企業振興を図るために、各自治体が産業振興担当、中小企業担当を増やし、地域の活性化と住民の暮らしの充実を進める。
(5)中小企業庁や文部科学省など国の関係省庁と地方自治体が連携して、小学校から学校教育の場で、働く意義や中小企業のイメージを変える取り組みを進める。
(6)中小企業の役割が正当に評価されるように、中小企業庁を中小企業省に格上げするなど国の行政組織を改めるとともに、中小企業政策をわが国産業振興の柱とする。
(7)様々な法律や規制による中小企業への影響を事前に考慮して立案される仕組みを確立する。
 上記以外にも多くあると思います。さらにどんなことが考えられるでしょうか? どんなことでも結構です。是非、自由にご記入下さい。

*編集部注:上記レポートについて、紙面の都合上、業種、社員数の選択項目および例示は割愛しております。

<< 中同協・各地の活動の目次に戻る印刷用画面 >>

同友ネットに戻る