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【11.01.20】【中小企業憲章を生かす―企業・地域へ】4 憲章の精神を訴え続けて〜沖縄同友会副代表理事 東恩納 隆((株)アイ・マネージメント 代表取締役)

 沖縄県に於ける同友会運動は、全国並みに展開され、1997年に日本列島を襲撃した金融危機を機に「金融アセスメント法」の制定運動が大きくスタートしました。

 その後2003年の全国総会(福岡)で、中小企業憲章の制定ならびにその地域版ともいえる中小企業振興基本条例の制定運動が提唱されました。私は静岡、新潟、神戸の全国行事で学習を深めていきましたが、「憲章と条例」の並行運動の難しさも経験しました。憲章と条例の制定運動をすすめていく中で、条例制定はある程度会員の中で理解されつつも、憲章制定運動がなかなか会員の中に浸透しませんでした。

 そこで手始めに条例制定運動から行動をおこし、2008年に「沖縄県中小企業の振興に関する条例」が制定されました。2004年に運動に取り組んでから5年がかりの成果です。

 沖縄県の経済は1972年の本土復帰以降、観光関連のみが脚光を浴びておりますが、県民一人当たりの県民所得は相変わらず全国最下位です。さらに全国の倍近い高い失業率、沖縄振興特別措置法が期限を迎える2012年度以降の新たな振興、米軍基地跡地利用に関する新法制定、基地問題、尖閣列島問題など、他府県には見られない問題が山積しています。

 沖縄経済を支える産業は大きく分けて基地、建設、観光だといわれており、基地経済を脱却するには、観光産業をさらに伸ばす必要があります。沖縄同友会としては、沖縄の特徴を活かすための戦略をどうするか、8%台の異常な数字を示す失業率をどうするかなどの改善策を毎年県に提言要望してきました。

 ただ、条例ができてどう変わったかというと、条例の項目に従って毎年県が国に対して提出する「中小企業支援策」が公表されただけで、功をそうしていないのが現状です。要はこの条例の実効性をいかに高めるかだと思います。沖縄同友会は条例制定後のこの実効性の課題がいかに重要かを経験しました。

 2010年6月18日に閣議決定された中小企業憲章についても、国の出先機関、県、市町村などと、あらゆる会合の席上で憲章について話し合っていますが、今1つ盛り上がらないのが現状です。

 われわれは条例制定後のその実効性については、ねばり強い検証の必要性を経験しました。制定された憲章を今後どう生かしていくかは大きな課題であると思います。ありとあらゆる場所で憲章のことを口にして、Think SmallFirst の精神を県民に訴えつづけたいと思います。

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