<< 中同協・各地の活動の目次に戻る印刷用画面 >>

【11.06.21】【中小企業憲章を生かす―企業・地域へ】10 「中小企業の存在の尊さ」 自ら認識し、広く発信、認知してもらう取り組みこそ 香川同友会政策企画副委員長 井本 康裕((有)松倉製作所代表取締役)

 父親から引き継いだ鉄工所の経営に行き詰まった2007(平成19)年1月、私は、経営の勉強をしたい、相談できる仲間がほしい、そんな思いから同友会の門を叩きました。

 そのころ、わが国は好景気と言われた時期もありましたが、自社の経営環境は一貫して厳しく、なかなか思うような業績をあげられません。その、世間と自身の景況感のずれは、納得のいかない違和感として入会後日の浅い私を悩ませたものでした。

 入会2年目の春、役員研修会において、上枝政策企画委員長の「事業所数でも社員数でも多数を占める中小企業が活性化しないとこの国の再生はない」との言葉に触れ、自分たち中小企業の存在が社会に占める割合の大きさについて教わりました。

 さらには、その割合に比べて世間一般に感じられる中小企業の存在感が薄いということ、そのギャップが自分の感じてきた違和感の根源であるということに気づかされました。

 つまり、世間の「大企業が儲かっていれば日本の景気は良い」との捉え方、しかしそれは、社会の大多数を占める中小企業関係者の景況感とは必ずしも一致せず、それが問題なのだと思うに至ったわけです。

 中小企業はその事業を通じて地域に雇用と資金循環を生み出し、その商品やサービスは地域に笑顔と利便性を供給します。土地や資源を有効活用し、利益が上がればその地域に納税し、文化や伝統芸能を守り、地域の維持発展に大きく貢献します。そんな「中小企業の存在の尊さ」を、まずはわれわれ自身で認識し、胸を張って事業に邁進(まいしん)すること、それを世間に向けて発信し広く認知してもらうこと、それが「中小企業憲章」への取り組みだと思っています。

 さらには、その理念実現のために、独自の事情を加味して地域ごとに仕組みづくりを行っていくことが、「中小企業振興基本条例」の制定運動だと考えます。

 そのような内容で過去1年余、県内の多くの支部にて例会報告をさせていただきました。

 今後とも、私のこの意見を周囲に発信していくことが私自身の主要任務の1つであると考え、努力と行動を続けていきたいと思います。

<< 中同協・各地の活動の目次に戻る印刷用画面 >>

同友ネットに戻る