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【12.05.23】【中小企業憲章を生かす】17 社員・家族の幸せを考える運動〜愛知同友会中小企業憲章推進本部副本部長 豊田 弘(知立機工(株) 代表取締役)

 2010年6月の閣議決定から間もなく2年になろうとしています。憲章運動に関わり始めた当初の私は、憲章は何か国会議員や行政の方にお任せしておけばできてしまうくらいにしか考えていませんでした。自分たちにはとても難しくて、政治運動でもやるのではないかと、疑問すら感じていたというのが正直なところです。それでも根気よく先輩方の話を聞き、中同協発行の書籍や大学の先生方のお話から勉強するうちに少しずつ分かりかけてきたように思います。

 まず最初に、今の経営環境で働く社員が、なぜかかわいそうで仕方なく感じ始めました。社員はこんなに頑張っているのに、報われない現実が少しずつ見えてきたのです。憲章運動とは、ここを何とかすることではないか? 自社では何ともできない環境を考えていく運動ではないか、と思い到ったのです。「社員とその家族の幸せを考える」、そして「そのまちに住む人々の幸せを求めていく運動」こそが憲章運動なんだと確信を持てるようになりました。

 それからは迷うことなく運動に参加しています。憲章運動の基本は、自社経営のなかで「どうも何かが変だ」を解決していくことだと考えています。それでも、憲章が難しい、という人には「難しく考えるから難しいのであって、社員やその家族やまちの人の幸せを考えることのどこが難しいのですか」と説いて回っています。難しいのは、国会決議されることや中小企業担当大臣が設置されることなどであって、運動することではないのです。

 とはいえ、同友会だけでこの大きな運動を進めることは決してできません。行政、他団体、各議員の知恵や経験をいただき「まちのおじちゃん、おばちゃんからも認められるような憲章運動」が大切だと思います。

 運動の原点は、憲章や条例を社員に語っていくことです。当社の憲章運動は、社員と「世の中の矛盾」や「“何か変”と思うこと」を考えることから取り組んでいます。すると、ある日社員から「社長、新聞に憲章・条例の記事が載っていた!」という反応が返ってきました。これが運動なんだと思います。ある奥さんが隣の奥さんと会話するように、憲章や条例運動の輪が広がっていけば、絶対に経営環境は変えていけると信じています。

 この閉塞感でいっぱいの社会を、他力を待つのではなく自ら運動に参加することで、暮らしやすいまちづくり、国づくりに貢献していこうではありませんか。

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