総会宣言(全文)
「労使見解」発表50 年
人を生かす経営の実践で真の人間尊重の社会を
7月3、4日両日、私たちは「真の人間尊重の社会をつくり新しい歴史を創造しよう」をスローガンに掲げ、第57回定時総会を神奈川の地で開催しました。
私たちの先人は1957年日本中小企業家同友会を創立して、労働問題に対応し、真摯な議論と企業での実践を積み重ね、1975年に「中小企業における労使関係の見解」(以下、労使見解)を発表しました。
当時、従業員を1人でも雇用すれば、中小企業といえども資本家だとする「総労働対総資本」の考え方が主流でした。労資が対立関係にあった中で、徹底した話し合いを通じて全社一丸の体制をつくることこそが中小企業の生きる道だと考え、さまざまな苦難を乗り越えてたどり着いたのが「労使見解」でした。ここで謳われる「人間尊重」の精神は、1977年「経営指針の確立運動」の提起から、社員教育や共同求人、障害者問題への取り組みなどのさまざまな活動へと展開され、全国に広がりました。
企業づくりの土台に「労使見解」を据え、1993年には「21世紀型中小企業づくり」を提起。社会、そして地域における中小企業のあり方や役割にまで深められ、2010年には中小企業憲章の閣議決定へと結実しました。こうした人間尊重を根底とした同友会運動は、SDGsや「ビジネスと人権」などの世界的な潮流とも共鳴し合う普遍性を持っています。
現在、物価高や人材不足、賃金上昇などさまざまな経営課題や社会課題が顕在化する中、人々の転職に対する価値観の変化など、雇用の不安定化や流動化が進み、労使の問題は複雑さを増しています。しかし、そうした問題は今に始まったわけではなく、これまでも対等な労使関係を築く努力を真摯に続けてきたからこそ、労使が一体となり、さまざまな難局を乗り越えることができたのです。この厳しい経営環境の中で対等な労使関係を築くことは、経営者の責任です。社員を最も信頼できるパートナーであると位置づけ、労使双方にとっての共通課題の解決に向けて、誇りと希望を持って共に育ち合い、労使関係の新しい次元への発展を成し遂げましょう。
本年「労使見解」発表50年を迎えました。「労使見解」の歴史的意義と今日的課題を改めて確認するとともに、第1に「労使見解」を学び直して、経営指針を確立し、人を生かす経営の実践で21世紀型企業づくりを運動として進めること。第2に同友会運動の新しいステージに向けて、地域に仕事と雇用を生み出し、真の人間尊重の社会をつくり新しい歴史を創造することを誓い、本総会の宣言とします。
2025年7月4日
中小企業家同友会全国協議会第57回定時総会









