第51回定時総会 2019年7月4日~5日(議案・採択文・10年ビジョン・宣言)

議案

採択文集

中同協設立50周年 同友会運動の将来展望(10年ビジョン)

第51回総会宣言(全文) 2019年7月5日

日本の未来を創造する「主役」として

 私たち中小企業家は、戦後の激動の時代に日本経済の発展に寄与し、この時代を築き上げてきました。 1957年、私たちの先人は「中小企業の自主的組織こそが必要」という立場で、「中小企業家の、中小企業家による、中小企業家のため」に、日本中小企業家同友会をここ東京で立ち上げました。
 さらに「全国にくまなく組織がつくられることで私たちの困難を解決する道が近づく」として、全国組織の結成が呼びかけられ、1969年に中小企業家同友会全国協議会(中同協)が設立されました。1990年には、全国の英知を集めて「三つの目的」「自主・民主・連帯の精神」「国民や地域と共に歩む中小企業」として同友会理念が確立されました。
 中同協設立から50年、47都道府県すべてに同友会が生まれ、会員数は5万名に迫ろうとしています。
 労使紛争が激化した60~70年代を経て、経営者のありようを提起した「中小企業における労使関係の見解」、経営指針成文化・実践運動。バブル経済崩壊後の93年には「21世紀型中小企業」を宣言し、同友会がめざす企業像を打ち出し、採用や社員教育の活動を通じて試されてきました。2000年代、金融危機にあっては「金融アセスメント法」を提起し、その成果を力に「中小企業憲章」を提言し、2010年に閣議決定されました。
 リーマンショックも連帯の力で乗り越え、東日本大震災では、「1社もつぶさない」「雇用を守り地域を守ろう」と声をかけあい、復旧・復興を進めました。さらにエネルギー問題を中小企業の仕事づくりの一環ととらえ、「中小企業家エネルギー宣言」を発表しました。
 これらの先進性と普遍性は、国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)という世界がめざす姿と一致するものです。
 同友会は全国的に旺盛な運動を展開することで、本年まで10年間会員数を増やし続けています。
 今後、日本の未来を創造する「主役」としての使命を果たすべく、以下の三つを実践し、すべての中小企業家がその実現に向けて同友会で学び、自らと企業を改革し、地域に貢献し続けていくことを宣言します。

  1. 大転換期をチャンスととらえ、経営指針をもとに地域資源を生かし、連携して仕事をつくり、経営基盤を強化し続けること。そのためにも社員一人ひとりが自らの人生を豊かに描き、そのすばらしさを発揮して高い士気のもとに働けるよう環境を整えます。
  2. 中小企業憲章の精神を地域に広げ、中小企業振興基本条例を軸に、地域の中小企業が活躍し続ける基 盤をつくります。
  3. 国際的にも評価されてきた同友会運動に誇りと確信を持ち、全国のすみずみに同友会の仲間を増やし続けます。

 私たちは、半世紀におよぶ全国の運動の成果と教訓をもとに、5万名の年度内達成をめざし、さらに次の峰に向けて、自らの経営実践をもとに誇りと確信を持って同友会運動を進めることを誓い、総会宣言とします。

2019年7月5日
中小企業家同友会全国協議会第51回定時総会