第4回「人を生かす経営全国交流会」アピール
今こそ『変革と継承』の時~共に育ちあい、企業と地域の未来をつくろう~
私たちは、標記テーマのもと11月20~21日の両日にわたり、「第4回人を生かす経営全国交流会」を、長野市内で開きました。
「人」を大切にする企業が地域の未来を拓く
人口が減少し、若者が都市に集中する中、中小企業では人材確保と事業継続が大きな課題となっています。どんな産業・地域であれ、一人ひとりが人間らしく働き・生きることができる環境が望まれています。一方、政府が計画している労働法制の規制緩和は、限定正社員の導入やホワイトカラーエグゼンプションによる労働時間の無制限化などで、雇用を不安定化させ、地域を疲弊させるおそれが指摘されています。人件費に課税する外形標準課税の中小企業への適用拡大も問題です。「人」を大切にする企業家の努力が、地域の発展に結びつくような政策発想こそ必要です。
そうした中、同友会では、社員の創意や自主性が十分に発揮できる社風と理念が確立された、人間的活力に満ちた企業づくりに向けて「人を生かす経営」を推進しています。
「人」を大切にする中小企業では、どのような人でもその能力を発揮できる環境をつくることができます。私たち中小企業家はこの強みを生かし、多様な人々が生き生きと働く、価値創造できる企業づくりに挑戦しましょう。
行動提起 「人を生かす経営」の取り組みのいっそうの発展を
同友会運動が蓄積してきた「労使見解」などの理念と実践の教訓を踏まえ、「人を生かす経営」の取り組みをいっそう発展させましょう。
1.経営者の責任を明確にし、自社の存在意義を改めて問い直し、10年先を見通したビジョンを持って、実践しましょう。そのためにも計画的な採用と育成を方針にすえ、地域の未来を拓きましょう。
2.雇用規制緩和の風潮に安易に乗らず、就業規則を柱とした労働環境整備を重視しましょう。多様な人々がその能力を発揮し、「共に育ち」、価値創造できる企業づくりに挑戦しましょう。
企業と地域の存続・発展のためにはそれを担う「人」が何よりも大切です。経営者がその自覚と責任をもち、「変革と継承」の精神で、共に育ちあい、企業と地域の未来を切り拓きましょう。
2014年11月21日
中小企業家同友会全国協議会 第4回人を生かす経営全国交流会