【08.06.14】支部づくりは地域づくり~第2回九州沖縄ブロック支部長交流会

1日目-支部長は全国の教訓に学ぶ機会を

問題提起する広浜・中同協幹事長
 6月13~14日、宮崎市にある宮崎観光ホテルで「第2回九州・沖縄ブロック支部長交流会」が開かれ、8同友会と中同協から95名が参加しました。

 最初に広浜泰久・中同協幹事長が「支部と支部長の役割」について問題提起。「支部例会は会員にとって最も身近な学びの場として重視し、新会員の出番づくりをしていくこと、日常的に会員増強を追求することが大切である」とし、「支部長は『運営』するのではなく『運動』つくっていく観点でかかわり、学んだことを自社経営に生かして自ら企業変革に努め、運動をリードするために同友会の歴史や理念に学ぶとともに、中同協総会議案書を読むことや全国行事に積極的に参加し、全国の教訓に謙虚に学ぶことが大切である」と話しました。

 その後、「同友会活動と企業経営は車の両輪」をテーマに松岡幸雄・熊本同友会菊阿支部長が、「支部づくりと増強」で中野正志・福岡同友会福友支部前支部長事例報告しました。

 松岡氏は、同友会の役員として活動することで経営にも貴重な示唆を与えられ、経営理念を幹部とつくる勉強会や社内会議でグループ討論を取り入れるなど、価格決定権を持つ自立型企業づくりを行うなどして会社が良くなったことを紹介。支部として入会すれば会社が良くなること訴えて、昨年度は24名を増強。組織運営を強化しだれでも役員になれる体制をつくりたいと報告しました。

 中野氏は、支部長就任1年で「一人では支部づくりはできない」ことに気づき、役員となることで企業を発展させることのできる人に役員になってもらい、役員集団として支部運営を行ってきたこと。支部を会社に見立てて、仕組みをつくり、「商品」は「例会」、「営業」は「会員拡大」と考え、役員には同友会をPRする名刺を渡し、見込み客(入会対象者)の会社で、出前例会を行うなど、増える組織づくりを行ってきたことを報告。

 グループ討論では、地域に責任を持つ企業とは、事業を維持発展させることができる企業になること、支部づくりでは新入会員を大事に居場所づくりをすること、例会づくりと会員増強を支部活動の柱に据えることなどの重要性が話し合われました。

2日目-「地域資源=会員」を増やそう

地域づくりを学んだパネルディスカッション
 2日目は、「地域づくりと中小企業」をテーマにパネルディスカッションを行いました。コーディネーターは根岸裕孝・宮崎大学准教授、パネリストは高山幹男・宮崎県商工観光労働部部長や広浜泰久・中同協幹事長、中石工・宮崎同友会代表理事の3名。

 根岸氏はまず本討論の趣旨を、中同協第40回定時総会議案書をもとに紹介。「将来の日本を展望するとき、持続可能な経済社会の確立と必要な規制、地域内再投資力の再生が求められていること。農林水産業と中小企業との連携や中小企業振興条例の制定の必要であること」などについて話しました。

 高山部長は、県行政施策として働く場の確保、そのために企業誘致と地場産業の活性化を柱としており、特に中小企業での商品開発や企業連携、農商工連携などに力を入れていると話しました。広浜氏は「ちば中小企業元気戦略」や「振興条例」の制定過程、そのプロセスにおいて行政マンの中小企業への考え方が変わったことなどを紹介。中石氏は地域の産物に目を向けてケーキなどをつくることを考え、地産地消、宮崎からの発信の大切さを語りました。

 「支部長として地域づくりをどう考えるか」をテーマにしたグループ討論では、「笑顔輝く地域づくりにするために、同友会の責任は大きい」「利益が出たからと言って、経営者が国産車を外車に買い替えるようではだめ。中小企業のエゴととらえられない運動にしていく必要がある」「支部長として地域づくりに責任を持つとはどういうことか明確になった」など、活発に議論されました。

 まとめで船山・中同協副会長は、「まじめに学び、地域のことを真剣に考える中小企業家同友会の会員経営者こそが地域資源。同友会で学ぶ仲間を増やし、九州沖縄で企業組織率5%(7500名)をめざしましょう」と呼びかけました。

新年度の方針を交流~代表者会議

 支部長交流会終了後、同ホテルにて九州・沖縄ブロック代表者会議が開かれ、8同友会と中同協から23名が参加しました。

 会議では、糸数・沖縄同友会が、中同協で行ったEU視察について報告し、その後各同友会の新年度の取り組みについて交流しました。