【14.12.15】2014年総選挙の結果を受けて【会長コメント】

中同協は、2014年総選挙の結果を受けて鋤柄修会長のコメントを以下のように発表しました。

<以下全文>

 12月14日投開票された第47回衆院選は、自民、公明両党が大勝し、3分の2を超える議席を維持する結果となりました。一方で投票率は戦後最低を記録しました。新しい政権には、さまざまな課題について国民の意見を十分聞きながら、丁寧な国会運営を進めることを期待したいと思います。

 今回の総選挙では、「アベノミクス」をはじめとする経済政策のあり方が大きな争点のひとつとなりました。今の日本経済は、輸出中心の大企業が好業績を示す一方、選挙期間中に発表された7~9月期の国内総生産(GDP)の改訂値は、マイナス1.9%へ下方修正されるなど、景気の二極化が鮮明となっています。中小企業にとって、消費の低迷、円安等による仕入れ価格の増大、採用難などが経営上の大きな問題となってきており、「アベノミクス」の政策効果は、中小企業には届いていないというのが現状です。

 こうしたなか、当会は、経済政策の柱に中小企業政策を明確に位置付けることが一層重要になっていると考えており、新政権には、日本の経済・社会・文化及び国民生活における中小企業・自営業の役割を正当に評価し、豊かな国づくりの柱にすえることを謳った「中小企業憲章」(2010年閣議決定)を重視した政策への転換を切に望むところです。

 さらに新政権には、地域と中小企業の安定・発展を図るために以下の点に取り組むことを期待します。

1.法人減税の代替財源としての外形標準課税の中小企業への適用拡大や中小企業税制の縮減などは中小企業の事業意欲をそぐものであるので、将来にわたって中小企業への課税強化を行わないこと。

2.消費税率引き上げの条件である「経済状況の好転」(景気条項)は削除せず、家計や中小企業の指標など社会全体に好況感が行きわたるまでは、消費税の10%への引き上げを行わないこと。引き上げ時期および実施すべきかどうかについては再検討すること。

3.円安等による仕入れ価格の増大について価格転嫁できるよう政策的に配慮すること。

4.大企業からのトリクルダウン効果にのみ依存するのでなく、直接中小企業振興につながる経済政策をすすめ、全国津々浦々に景気効果が出るようにし、地域の活性化を図ること。

 2014年12月15日
                     中小企業家同友会全国協議会
                      会長 鋤柄 修