中同協は、今回の総選挙に当たって鋤柄修会長のコメントを以下のように発表しました。
<以下全文>
11月17日に発表された7~9月期の国内総生産(GDP)速報値が年率換算で1.6%減、2四半期連続のマイナス成長となり、18日には安倍晋三首相が消費税再増税先送りの判断を固め、国民に信を問うために衆院解散・総選挙を決めました。
当会の景況調査結果でも、前年同期比の業況判断DI値は、7~9月期にさらに悪化し、次期、次々期の見込みもマイナス予測で、今後も回復の兆しは見られません。円安等による仕入れ価格の増大や採用難は経営上の大きな問題となってきています。また、同調査では、この1年半「借入を増やした」企業は3割にも満たず、「異次元金融緩和」の効果は6割が「感じない」という結果です。
つまり、アベノミクスの政策効果は、中小企業や家計には届いていないというのが現状です。
こうしたなか、当会は、産業・経済政策の柱に、中小企業政策を明確に位置付けることが一層重要になっていると考えており、今回の総選挙では、日本の経済・社会・文化及び国民生活における中小企業・自営業の役割を正当に評価し、豊かな国づくりの柱にすえることを謳った「中小企業憲章」(2010年閣議決定)を重視した政策への転換を切に望むところです。
総選挙に当たって、各党および各候補者のマニフェストや公約には以下の内容が盛り込まれることを期待します。
1.法人減税の代替財源としての外形標準課税適用拡大や中小企業税制の縮減などは中小企業の事業意欲をそぐものであるので、将来にわたって中小企業への課税強化を行わないこと。
2.消費税率引き上げの条件である「経済状況の好転」(景気条項)を遵守し、家計や中小企業の指標など社会全体に好況感が行きわたるまでは、消費税の10%への引き上げを行わず、引き上げ時期および実施すべきかどうかについては再検討すること。
3.円安等による仕入れ価格の増大について価格転嫁できるよう政策的に配慮すること。
4.大企業からのトリクルダウン効果にのみ依存するのでなく、直接中小企業振興につながる経済政策をすすめ、全国津々浦々に景気効果が出るようにし、地域の活性化を図ること。
以上
中小企業家同友会全国協議会
会長 鋤柄 修