1990年1~3月期に第1号発行以来25年を迎えたDOR(同友会景況調査)は、中小企業家自身による自主的な独自調査として、会内、マスコミ、官庁、研究機関から高く評価されています。また会員企業の景気見通しなど、経営戦略に活用しているとの声も多く聞かれます。
このたびDOR115号(2016年1~3月期)を発行しました。調査概要は下記の通りです。
中小企業、第2次アベノミクス下で景気失速
前回のDORが「経営努力著しいが景況の腰折れか?」と警鐘を鳴らしたことが現実味を増した。景気の失速である。DORの1~3月期調査によると業況判断DI(「好転」-「悪化」割合)は6→△3と9ポイント悪化した。業況水準DI(「良い」-「悪い」割合)も9→△2と 11 ポイント悪化。他の指標も全面的に悪化しており、中小企業景気は失速している。
2016年4~6月期は危機感が漂う。次期の業況判断DIは△3→△1と2ポイントの持ち直しを見込むが、業況水準DIは△2→△5と3ポイント悪化、経常利益DI(「増加」-「減少」割合)も1→0と大きく回復する見込みはない。3月の日銀短観では、大企業、中小企業の製造業と非製造業がそろって悪化するのは消費増税があった 2014年6月調査以来となる。3カ月後の先行きも、大企業、中小企業ともに悪化を見込む。背景には、円高の他、中国など新興国経済の減速、消費増税以降続く消費の低迷がある。
さらに4月14日に熊本県・大分県を中心に発生した地震は人的被害とともに生産・流通にも影響を与えており、今後の景気はさらに不安定性が高まっている。
経営上の力点では「新規受注(顧客)の確保」、「付加価値の増大」が高水準である一方、「社員教育」と「人材確保」が増加している。特に「社員教育」は、43.8%→48.1%で最高水準となった。人的資源の蓄積こそが企業の成長、豊かな地域社会を形成するための新しい価値を創り出す源泉なのである。「人を生かす経営」の理念を共有する企業づくりの真価が問われている。(概要より抜粋)
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DOR115号(2016年1~3月期)(PDF2827KB)
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