新世紀の幕開けに【年頭あいさつ】

新世紀の幕開けに
中小企業家同友会全国協議会 会長 赤石 義博

 新世紀の幕開けを、つつがなく、お迎えのこととお慶び申し上げます。
 この世紀は、地球を守り、人類永遠の存続と繁栄を確かにできるかどうか、まさに人類の存亡がかかる1世紀になると考えます。
 地球を守るには、地球的市民感覚にめざめた人々が多数者になるしかありません。

 この地球的市民感覚は、地域の自然や人間的な暮らしを大切に思い、働くことに生きがいや喜びを見いだした健全な市民感覚を持つ人たちによって培われます。そして、健全な市民感覚を最も着実に育(はぐく)んでいるのが同友会理念に基づく「人間尊重の経営」と「21世紀型企業づくり」であると確信しています。

 働くことに、生きがいや喜びを見いだした人たちこそ、企業発展にとってかけがえのない原動力「情理の効率」を発揮し、高度に工業化を果たした先進国に待望される次なるステージ、「真の中小企業の時代」を推進する大きな力となるでしょう。

 もちろん、足下の問題解決も重要です。

 問題は山積しておりますが、この1年は特に金融問題に取り組まねばなりません。ステップとしては、地域金融を担う地銀・信金・信組などへの「金融検査マニュアル一律適用の撤廃」です。そして、それと並行して地域金融の抜本的改善をめざし「金融アセスメント法」制定に粘り強い運動を続けることが必要です。

 日本経済再生のためには中小企業に活力を取り戻すことが何より重要です。その中核として、同友会の強大化が何より待望されるのは言うまでもありません。しかも、その道は「地球を守り、人類の存続と繁栄」の道にも直結しています。孤立し苦闘している中小企業家の仲間に広く手を差しのべ、10万名会員への展望を議論しつつ、その一里塚としての5万名会員達成をめざし、新世紀の幕開けのこの年を、全国的増強の年と決意いたしたいと思います。