【08.06.19】経営者の自己変革迫る学びあいを~関西ブロック支部長交流会

問われる役員の経営実践

主催者あいさつする田中・中同協副会長
 6月19日、第2回関西ブロック支部長交流会が昨年に引き続いて開かれ、会場の大阪市内にある大江ビルに6同友会から105名が参加しました。

 開催地あいさつに立った、畑野・大阪同友会代表理事は「厳しいこういう時代だからこそ、同友会での学びあいが重要。特に支部で参加者が学び、経営実践に足を踏み出せる例会づくりの強化を」と話しました。

 また、主催者あいさつで田中・中同協副会長は、「中同協として中小企業憲章制定運動推進本部がEUの視察を行ったが、日本の中小企業はEUとは違う独自の課題を持っていることも明らかになった。地域づくりの展望は、元気な中小企業を育てる同友会の存在と発展にかかっている。同友会が対外的にも信頼を集め注目されるようになってきているが、正副代表理事、支部長の経営実践が問われている。自分の人生を変え、企業を変えるために入会した経営者の期待を裏切らない学ぶ仕組みづくりと、挑戦に勇気を与える会員間の信頼関係をどう作るかが課題。支部長の皆さんは大きな役割を担っているが、本支部長交流会では、傷のなめあいではなく、課題や悩みを解決するための交流を深めてほしい」と強調しました。

問題提起~地域をどう再生させるか・堂上大阪同友会代表理事

問題提起する堂上・大阪同友会代表理事
 問題提起「同友会に期待が高まる中での支部と支部長の役割」として、堂上・大阪同友会代表理事は、「支部ビジョンに地域性を考え、地域に影響力を持てる会員数にしていくこと。会員の空白地域をなくし、日本をどう再生させるかの気概を持って支部長は支部づくりに尽力してほしい。大阪では支部は例会づくりと増強だけを行う組織と位置付け、課題を抱えている支部会員を報告者に、支部全体で励まし合い、経営変革の支援ができるようプレ報告会を重ねている。学びを深められるようグループ討論を大事にし、グループ長養成に力を入れているが、経営姿勢を問いかけ合えるように、『労使見解』を学ぶことを基本スタンスにしている。支部長は何より『よい経営』をおこなう『よい経営者』になる不断の努力を。支部役員を知り、役員は会員を知るための活動を展開し、さらに会員を増やし、情勢に負けない企業づくりの輪を広げましょう」と呼びかけました。

本質を学ぶとは~事例報告(京都・宇治支部、奈良・北和支部)

「学べる支部づくりに必要なこと」についてグループ討論
 その後、京都同友会宇治支部長の吉田健治氏が「地域とのかかわりを考える支部活動」を、奈良同友会北和支部長の八坂豊氏が「社長と支部長」について事例報告を行いました。

 吉田氏は、支部を取りまとめる機関である「地域会」の役割と支部間の相互連携の中にふれ、「新会員に出番を与える昼食会と例会づくりに力を入れてきたこと。地域とのかかわりでは、行政との認識のギャップを実感し、地域を活性化するための方策は地元中小企業を支援することとの問題意識を持ってもらうために、何かをしてもらう『くれくれ運動』でなく、一体となった協力関係が必要なこと」が報告されました。また自身の経験から、経営者が地元をよく知る機会を意識的に持つことで、地域再発見ができることも紹介されました。

 八坂氏は、破たんしたホテルを引き受けて再生することを仕事としてきたが、現在のホテルをまかされた時、ワンマン経営に慣れていた社員の自主性を引き出し、自分が現場にいなくても問題解決できる組織づくりをすることが大切であると同友会で学んだこと。支部長になり、多くの新会員を迎えても、多く退会していく人がいるのは、個人依存型の増強で、組織的対応ができいていなかったことに気づき、これは企業経営も同じで、何のために増強するのか、何のために仕事をするのか、本質を探り、共有することが大事であると報告しました。

地域に責任を持てる企業と同友会へ

 その後、「地域に責任を持つ企業づくりとは」「学べる支部づくりに必要なことは何か」をテーマにグループ討論。「学校や行政からあてにされるなか、責任が取れる企業、同友会づくりが大切」「リーダー育成が要」「例会報告者が気づきを与えられる例会づくりのプロセスを重視」などが意見交換されました。

 まとめで田中・中同協副会長は、「支部長が地域に責任を持つ企業づくりを行い、同友会で学ぶ企業を増やし、地域の期待にこたえられる同友会にしていこう」と呼びかけました。