【同友会景況調査結果・2010年4~6月期】手放しでは喜べない「回復」

 4~6月期の中同協景況調査結果をまとめた『同友会景況調査報告(DOR)』91号が発行されました。今回の調査は、昨年歴史的な政権交代をした鳩山内閣が6月2日に辞任、6月8日には菅内閣が発足し、6月24日には参議院議員選挙に突入した最中での調査となりました。(景況調査結果概要は8面掲載)

 6月7日、内閣府・景気動向指数研究会では、景気の「谷」を2009年3月と暫定設定しました。リーマン・ショック後の落ち込みが激しかっただけに、それ以降の回復も第2次石油危機以後、最も速いテンポでの回復となっています。

 DOR4~6月期調査では、業況判断DIは1~3月期のマイナス18がマイナス4と2ケタ台の回復を見せています。なかでも製造業で回復著しく、前期0が今期は13と2ケタのプラスとなっています。地域経済圏では関東(マイナス23→0)、近畿(マイナス12→9)の2つの大都市圏で回復度合いが大きくなっています。

 一方、仕入単価DIが前期マイナス7が今期10と、5期ぶりに「上昇」超過となっています。新興諸国の需要増加に伴う国際商品価格の上昇をうけ、素材価格を中心に仕入価格の上昇圧力が高まっています。仕入価格上昇をどこで吸収するのか、取引先と連携しながらの対応が求められます。

 なお、今号の「DORの眼」は「リーマン・ショックと中小企業」と題して植田浩史慶応大学教授が執筆しています。『DOR』ご希望の方は、300円切手同封の上、中同協までお申し込み下さい。中同協ホームページでも紹介しています。

「中小企業家しんぶん」 2010年 8月 5日号より