新春の幕開け、アベノミクス効果ともいえる「円安」「株高」が続いています。1月28日国会での所信表明演説で安倍首相は、「大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略という『三本の矢』で、経済再生を推し進めます」との決意を表明しました。
給与総額バブル後最低 中同協景況調査も厳しい予測
しかし、一方では厚生労働省が1月31日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、2012年に支払われた残業代や賞与を含む現金給与総額の月平均は前年比0・6%減31万4236円で、現行の調査を始めた1990年以来最も低いとのこと。パートの割合が増えたためという。さらに総務省が2月1日発表した昨年12月の完全失業率(季節調整値)は前月比0・1%上昇の4・2%で、8カ月ぶりに悪化、同省は、「依然、雇用情勢は厳しい」と分析しています。
2012年10~12月期の中同協景況調査(本紙2月5日号報道)でも、10~12月期の業況判断DIは全業種・前年同期比で7~9月期比2→△5とマイナスに転じ、7ポイント悪化しました。業種別では製造業が△6→△16と10ポイント悪化、製造業主導の景気後退を表しています。この失速は2013年1~3月期にも続き、全業種で△18とさらに13ポイントの悪化を会員は予測しています。
経営指針の作成・実践で業況に明確な差
このような厳しい予想のもとで、本年の経営の舵取りをどう進めると良いでしょうか。中同協・企業環境研究センターでは新年度の経営に役立てる目的で昨年より『年頭 中小企業経営の展望レポート』を発行しています。(中同協ホームページ「調査・研究」の「発行物」コーナーで無料閲覧)そのなかで、立教大学菊地教授は「経営指針の作成と実践の意義」を、2000年、2010年、2012年と過去3回の調査結果から次のように結論付けています。
経営指針(理念、方針、計画)の作成がなされているか否かで業況の良否に大きな差がでていること。その要因は、指針の作成と実践が「人材の育成につながること」。結果として「顧客ニーズに対応した企画力・営業力が向上」し企業の競争力が高まり、業況の好転になっているのです。
2012年調査では、経営指針作成後、その到達点を社内で毎月確認し(PDCA を回す)、さらには、経営理念を社内にとどめず社外公開している企業の業況水準DIが高いことも明確になりました。毎月の到達点が明らかになり、社内の結束が高まり、対外的に自社の存在価値が認識されることが士気を高めるのでしょう。
「中小企業金融円滑化法」の3月末終了を迎え、金融機関との関係強化をいっそう前進させねばなりません。「インフレの進行」に自社の価格体系が現状のままで利益が確保できるのか、今後の情勢変化をみすえつつ新たな経営戦略の構築が求められています。
会内でも、積極的な戦略論議を行っていきましょう。
(K)
「中小企業家しんぶん」 2013年 2月 15日号より










