中小製造業の技術を競い合う 全日本製造業 世界コマ大戦開催

 2月15日、神奈川大桟橋ホールにて「全日本製造業 世界コマ大戦」が開催され、約2000人が来場しました(主催:全日本製造業コマ大戦世界大会実行委員会、後援:中同協など)。

 全日本製造業コマ大戦は全国の中小製造業が直径2センチメートルのコマに技術を込めて競い合う喧嘩ゴマの大会。2012年に始まった第1回大会から全国に広がり、今回は海外からインドネシア、タイ、ベトナム、韓国、ボリビア、アメリカの6カ国が参戦した初の世界大会となりました。国内予選を勝ち抜いた18チームと海外11チームの合計29チームがトーナメントで世界一をかけて競い合いました。

 コマの大きさ以外には形や素材に制限はなく、直径25センチメートルの土俵内で先に外に出るか、先に止まったほうが負けというルールで、2連勝したチームが勝ち進みます。

 実行委員長と会長を務める緑川賢司氏((株)ミナロ、神奈川同友会会員)は開会に際して「コマ大戦は仕事づくりが目的です。仕事を通して人は成長します。コマ大戦から企業間の新しい人とのつながりで仕事が生まれ、参加者それぞれの成長となってほしい」とあいさつしました。

 当日はコマ大戦に参戦した企業など70を超える企業展示ブースが設置され、神奈川同友会会員企業も積極的に参加しました。「子どもコマ大戦」や「折り紙ヒコーキ教室」といった子ども向けのイベントで家族連れが目立つ中、中小製造業が力を合わせて制作した深海探査艇「江戸っ子1号」や「下町ボブスレー」の展示など中小企業の魅力を発信しました。

世界コマ大戦

優勝は愛知の中小製造業(有)カジミツ

 世界コマ大戦29チームの激戦を勝ち抜き、愛知県にある(有)カジミツとインドネシアのサントソ・テクニンドの2社が決勝に進みました。

 (有)カジミツのコマは重さ190グラム、高さもある円筒形でモーターを内蔵し安定感は抜群。対するサントソ・テクニンドは超硬合金を使用し重さと回転力、側面に突起を付けることで攻撃性も追求したバランスの取れたコマ。両者一歩も引かない白熱の試合を続け、6戦目で(有)カジミツが初の世界大会を制し、日本の町工場の技術の高さを証明しました。

 企業が技術を競い合い、連携を進めていくことで企業の更なる魅力が引きだされることに気づかされる大会となりました。

 今後もコマ大戦は各地で続けていく予定です。

「中小企業家しんぶん」 2015年 3月 5日号より