【コロナに負けない!】「今がチャンス」と新店舗展開 (株)From ViVi 代表取締役 衣笠 美幸氏(兵庫)

24歳で創業して

 姫路中心に飲食店、カラオケボックス、インターネットカフェなどを展開する(株)From ViVi 代表取締役の衣笠美幸氏は、「最高の空間を創造する」という経営理念のもと、コロナ禍で新店舗を展開しています。

 衣笠氏は児童養護施設で育ち、義務教育終了後、交代勤務をしながら夜間高校に通える寮完備の紡績会社に就職。18歳からアルバイトを掛け持ちし、24歳で9坪の店をオープンしました。

 創業後は出産、育児、経営と何役も兼ねながら、阪神淡路大震災、消費税率アップ、突然の社員の退職など、常に危機や意思決定を迫られながら、奮闘してきました。

「ママ」から経営者へ

 「ママ」から経営者になるために兵庫同友会に入会し、経営指針やマネージメントゲームで学ぶ中、「経営者はいつまでも現場にいてはだめ」と同友会先輩会員に諭されました。「何のために僕とマネージャーがいるんですか、もっと頼って下さい」と店長から言われ、アナログでワンマンな経営者から、社員を「パートナー」と考えて経営に専念。「それぞれが最高に輝く、最強のチームでチャレンジし続けます」を行動指針に掲げました。

 現場は任せ、チームで成果を上げる体質へ変革する中、現場を数値で把握、リスクの未然防止、組織力強化、環境整備と自分がいなくても会社が永続する仕組みづくりに取り組みました。現場を社員に任せることで利益の出る企業に変化。カラオケボックスの稼働率は近畿圏トップクラスになりました。

コロナ禍はチャンス

 日ごろから現状把握・拡大計画・未然防止・内部留保に努めていたことで、コロナで売上が激減する中でも他社よりは痛手が少なく、自粛期間を活用してこれまで検討していた改装工事に着手。資金繰り計画を立てるとともに、施策や制度の研究により制度融資、補助金・給付金を活用して資金調達しました。

 これを出店のチャンスととらえ、昨年12月には新たにインターネットカフェをオープンしました。出店に際しては、別の地域の閉店した企業の資材を活用し、初期投資は予定額の十分の1に収めることができました。

 現在、「採用のチャンス」と求人活動も積極的に行っており、「激動期はチャンスを取りに行こう!」と社員と一丸となって取り組んでいます。

「中小企業家しんぶん」 2021年 4月 5日号より