昨年の春は新型コロナウイルス感染症拡大により、緊急事態宣言以降に実施した長野同友会のアンケートでも8割を超える会員企業がマイナス影響にさらされているという状況が浮かびあがり、その長期化も予測された時期でした。「1社もつぶさない!~知恵と力を出し合い新型コロナウイルスによる危機を乗り切ろう」、この思いだけは忘れずに期がスタートしました。
県総会では、全国会員数5万名目標のうち長野県として掲げた780名目標(期首756名)は諦めることなく必ず達成させようと、代表理事の熱い思いとともに各役員・事務局を中心に誓い合いました。
その後、第1に緊急に対応しなければならないこととして、「ベテラン経営者に聞く」などをシリーズ化し危機の際にどのように具体的に対応していくかについて会内外に広げるとともに、金融機関や支援機関との連携強化を積極的に進めました。その結果、先達の経験や実践からピンチをチャンスと捉え、さらに「労使見解」を深く学ぶことで、より強靭な企業づくりをめざしていこうとの機運が高まっていきました。
第2に、面積の広い長野県に11支部が設けられていますが、増強(仲間づくり)委員会が活動の推進役を担い、4ブロック(北信、東信、中信、南信で150名~300名単位)ごとに各支部長を中心に組織化を図り、それぞれのブロックで増強目標を立て委員会が頻繁に開催されました。そこでは「何のための増強か、何のための同友会活動か」など、改めて学びを止めないことを繰り返し確認しました。その際には、青年部の活発な力と支えがありました。
第3に、経営フォーラムやブロック合同例会など大規模な勉強会が、オンライン活用で一気に開催しやすくなりました。勉強会ごとにオールオンライン、ハイブリッド、リアルと開催方法は違っても、毎回、実行委員会体制が築かれ、従来にはなかった委員同士の人間的なコミュニケーション・触れ合い・支え合いが深まり、増強活動へのエネルギーとして伝わっていきました。
以上のような展開で、年度末には目標の会員数を突破することができました。今後もデジタル化に積極的に取り組んでいきますが、基盤に同友会ならではの「自主・民主・連帯」の精神と、生き生きとした”知り合い、学び合い、援(たす)け合い”の活動があってこそのものです。長野同友会は、この「同友会ならでは」の基盤にたち、新年度もさらなる発展をめざしてまい進していきます。
「中小企業家しんぶん」 2021年 4月 15日号より