金融仲介機能の強化に向けて金融庁と懇談【中同協対外委員会】

 10月7日、中同協と金融庁との懇談が行われ、この間対外委員会で行った全国銀行協会など金融機関の全国組織との懇談での問題意識を報告するとともに、中小企業金融のあるべき姿について意見交換しました。金融庁は金融仲介機能の強化を促している監督局銀行第2課が対応しました。

 最初に広浜泰久・中同協会長があいさつし、金融機関の全国組織との懇談の際には、同課から各協会の窓口の紹介を得てスムーズに懇談が進められたことについてお礼を述べるとともに、自社における金融機関の伴走支援の経験を紹介しました。

 また、湯本良一・中同協副会長が、経営者保証と伴走型支援について各協会と意見交換したこと、経営者保証については個別問題とされていることなどの問題意識を報告しました。

 その後、中同協としての中小企業金融のあり方について、中村高明・中同協政策委員会金融プロジェクト長が報告。

 1990年代の不良債権処理など金融行政に対し、同友会の「金融アセスメント法制定運動」もあり、第三者保証の原則禁止や経営者保証ガイドラインが発表されたことなどの紹介がありました。

 さらに昨年廃止された「金融検査マニュアル」の「副作用」として、(1)担保保証への過度な依存、(2)信用保証協会保証付き融資への依存、(3)優良顧客への取引優先による低金利競争、一方で優良でない顧客への金融排除、(4)「目利き力」の低下の4点を指摘。金融機関の平均預貸率は58%にとどまっており、地銀再編より仲介機能強化を期待していると述べました。 金融庁の新発田龍史課長からは、金融機関の課題は共有していること、金融仲介機能の強化については、ベンチマークを金融機関が公表し、利用者への説明責任を果たすことが大切であることなどの紹介がありました。

 今後も引き続き、懇談を行うことを確認しました。

出席者名(敬称略)

金融庁監督局銀行第2課・新発田龍史(課長)、平見桃子(係長)、同課地域金融企画室・原田研一郎(課長補佐)、川崎加奈子(係長)
中同協・広浜泰久(会長)、湯本良一(副会長)、石渡裕(政策委員長)、中村高明(政策副委員長)、野水俊夫(政策副委員長)、新井俊雄(対外委員)、斉藤一隆(事務局長)、平田美穂(政策広報局長)

「中小企業家しんぶん」 2021年 10月 15日号より