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地方がどんどん面白くなる~2019年の年頭社説を読んで

 2019年が始まりました。毎年恒例ですが、新聞の年頭の社説を読み、年の課題を占ってみます。

 まず、各社の社説のタイトルから。「政治改革30年の先に 権力のありかを問い直す」(朝日新聞)。「米中対立の試練に立ち向かえ」(読売新聞)。「AIと民主主義 メカニズムの違いを知る」(毎日新聞)。「不確実性にたじろがず改革進めよ」(日本経済新聞)。「さらば、『敗北』の時代よ」(産経新聞)など。

 30年の平成の時代を総括して、対処の仕方を問う内容が目立ちました。例えば朝日新聞。政治改革30年で、特に小選挙区制は失敗ではないかという問題提起です。「行き着いた先が、『安倍一強』である。今、執政の中枢である首相官邸への権力の集中はすさまじい。その使い方も実に荒々しい。非力な野党が政権を奪い返す展望は見えない」。

また、平成は「敗北」の時代と断罪するのは産経新聞。日本経済新聞は平成の「停滞の30年」を脱してどう進路をとるべきかと問題を投げかけます。読売新聞は自社の世論調査で平成時代の印象を尋ね、「不安定」と「停滞」が「安定」と「発展」を上回ったとします。平成への改元直後の調査とは、ちょうど逆の結果だそうで、「国民の後ろ向きの気持ちをどう払拭するのか」と問います。しかし、そのような世論結果となった一因は新聞社にも多少はあるのかも。

 「敗北」や「停滞」などが主題の全国紙と比べて、地方紙は前向きな社説です。

 タイトルを拾うと、「未来からいまを考えたい」(北海道新聞)、「『情動社会』の民主主義、鍛え直して明日を向く」(中国新聞)、「九州は自ら考え自ら動く」(西日本新聞)と明るい基調のものが多いのです。

 北海道新聞と京都新聞が奇しくも同一の手法を紹介しています。「フューチャー・デザイン」と呼ばれる試みです。将来世代の視点を持てば、現役世代の視点とは違った「いま」が見えてくるというもの。

 岩手県矢巾町で、町の未来ビジョンを考える実験を行いました。現役世代からは「子ども医療費の無料化」など今の課題を踏まえた提案がなされ、将来世代からは、歴史文化を観光に生かすなど地域の長所を継続的に活用する案が提示されました。自分がどの世代を生きるかによって、考え方や立ち位置に違いが出たのが興味深いところです。

 河北新報は、地方を覆っているマイナスイメージの根にあるのは、人口減の現実と悲観的な将来予測とします。しかし、人口増加が単純に国民の幸福につながるのか。人口減少で地域そのものが消滅するわけではありません。人口規模に合わせて市町村の合併が進み、行政の効率が図られるのです。解決できる問題ばかりでした。

 河北新報は「改元の年頭に強調したいのは、地方にはいろんなチャンスがあるという見落としがちな事実だ」と主張しています。

 中同協設立50周年の年。河北新報のタイトル「地方がどんどん面白くなる」が迫ってくる年としたいものです。

(U)

「中小企業家しんぶん」 2019年 1月 15日号より

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