増加する空き家数と空き家率

 総務省統計局では2019年9月30日に2018年の「住宅・土地統計調査」の結果概要を公表しました(5年ごとに実施)。2018年総住宅数は約6,240万7,000戸となり、2013年と比べ、177万9,000戸(2.9%)の増加となりました。1968年以降、総住宅数が総世帯数を上回っています。

 近年、課題となっている空き家問題や空室問題。居住している家は5,361万6,000戸となり割合は85.9%、一方居住のない空き家は848万9,000戸となり13.6%となっています。実に8戸に1戸以上は空き家がある状態です。2013年に比べて0.1%上昇し、過去最高となっています。(図)

 空き家の内訳では、「賃貸用の住宅」が432万7,000戸で総住宅数に占める割合は6.9%、空き家の半数以上が「賃貸用物件」です。また「売却用の住宅」が29万3,000戸で同0.5%となり、マンションなどの空き室や売却できない不動産が増加しているといったほうがいいかもしれません。別荘などの「二次的住宅」は38万1,000戸、同0.6%となっています。

 しかしながら、いわゆる空き家問題とみられる「その他住宅」が348万7,000戸であり、同5.6%となっています。「その他住宅」とは、居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替え予定の住宅のほか、空き家の区分の判断が困難な住宅を含んでいます。このような住宅が実に18戸に1戸の割合であり、年々増加傾向にあります。

 近年、各地で空き家の利活用などの取り組みを聞くようになりました。空き家も地域資源としてとらえる動きも見られますので、問題ではなくチャンスとして見ることもできる重要なデータです。

「中小企業家しんぶん」 2019年 10月 25日号より