【コロナに負けない!】先を見据えた勉強会で明日への活力を~飲食業関連研究会【愛知】

 中小企業家しんぶん編集部が経済センサスより推計した飲食店の1カ月平均売上高は1事業所あたり254万円(4月25日号・2面)。新型コロナウイルス感染症による営業自粛はこの大部分を蒸発させました。大打撃を受ける飲食業関連の会員が、悩みと知恵を出し合い、励まし合う場として愛知同友会の「飲食業関連研究会」が連休前4月20日に発足しました。

 これまでは、ヒト(社員への声掛け・支援、勤務体制、教育訓練)カネ(融資、雇用調整助成金、制度活用)を中心に実践事例を報告。「先行きがわからず、どんな対策をしたらよいのか」という率直な悩みのほか、「不安がある中でも働く社員に、お客様からの感謝の声を伝えている」、「冷凍保存可能な食材は仕入れ、仕入先との関係を保ちながら営業再開に向けて準備中」「家賃交渉では協力体制を築くことが大切」などの意見が出されました。

 業種も支部・地区も越えて全国の同友会ともつながり、融資制度の活用、実際の経営判断と取り組み事例を交流することで、先を見据えた経営のヒントを探る場となっています。さらに、具体的課題は政策提言につなげています。

 ここで出されたさまざまなアイデアの1つ、「TokoToko CARマルシェin常滑(とこなめ)」を有志活動として5月に3日間開催。約20店舗の会員と地域の企業がテイクアウト商品を販売するドライブスルー形式の市場で、開催場所を会員の休業中の駐車場とするなど、自前で企画、運営営、設備の準備を行って2週間で形にしました。多くのメディアでも放映され、初日には約1,000食の弁当と地域特産品が顧客のもとに届きました。

 「1社もつぶさない」、「なんとしても生き残る」をスローガンに掲げる愛知同友会。研究会では、経営の悩みやヒントを共有することで気持ちが落ち着き、明日への活力が湧いてくることを期待し、社員や家族、地域の笑顔につながる活動を考えていきます。

「中小企業家しんぶん」 2020年 6月 15日号より