同友会景況調査速報【2021年7~9月期】景気は再び悪化 原材料価格高騰が重要課題に

 同友会景況調査(DOR)138号(2021年7~9月期景況調査)の速報が発表されました。

 2021年7~9月期は、業況水準DI(「良い」-「悪い」割合)などの主要指標で悪化し、5期連続の改善とはなりませんでした。業種別では建設業以外で悪化したほか、全地域・全企業規模で悪化しました。次期も悪化する見通しとなり、景気の再悪化が懸念されます。(図)

図 業況判断DI、業況水準DI、売上高DI、経常利益DIの推移

また、世界的な半導体・部材調達難、資源価格や商品価格の高騰を反映して、仕入単価DI(「上昇」-「下降」割合、前年同期比)が10ポイント増の45となりました。とりわけ製造業や建設業では4割以上の企業が経営上の問題点として「仕入単価の上昇」を指摘するなど、より深刻な影響となっています。

雇用面はわずかに人材不足感が強まりました。金融面では資金繰りの余裕感が若干弱まったものの、短期、長期ともに借入金を減らした企業の割合が上昇しました。

仕入価格の高止まり傾向は続くことが見込まれます。「材料メーカーや代理店各社より、値上げの実施が告知されて以降、大きなコスト増になるため、自助努力でカバーしきれない部分を見極め、段階を踏んで価格改定のお願いに注力(製造業)」という会員のコメントにあるように、取引先をはじめとする関係先とのコミュニケーションや情報共有を図り対応を進めていくことが肝要です。

情勢変化にアンテナを張りながら、日々の経営課題に1つひとつ向き合い解決していきましょう。

速報の詳細は中同協ホームページをご覧下さい。
https://www.doyu.jp/research/dor/

「中小企業家しんぶん」 2021年 10月 25日号より